大河の一滴

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かもめ的投資バリュエーション論

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投資家は投資判断をしなければいけないわけでして

その中で投資判断するための作法みたいなものはあると思います。

それで最近というわけではないですが、自分もそのような作法考え方などがありまして、それが実のところあまり他で聞かない感じになってる気がするところです。

 

ということでその基本的考え方をまとめてみようなんていう企画。

かもめ的投資バリュエーション論。

 

・・・みたいなもの。

この種の話はいろいろしてますが以下などを見ると通りがよくなるかもしれない。

 

kamomenotoushi.hatenablog.com

kamomenotoushi.hatenablog.com

kamomenotoushi.hatenablog.com

kamomenotoushi.hatenablog.com

kamomenotoushi.hatenablog.com

 

このバリュエーションの考え方は様々あると思います。

みきまるさんのところで上げられてるのは代表例かと思います。

plaza.rakuten.co.jp

 

資産バリュー

もってる資産と株価を比べるやり方。

企業の純資産、例えば不動産や現金同等物等と株価を比較し株価のほうが安いとするならそれをお買い得と考える。もちろん負債とかも考慮します。

それでいろいろ計算して企業がもってる資産が一株あたり2000円だとしてそれが1500円の株価なら500円お得だね!安いじゃん。みたいなやり方。

どうやって資産選定するとかありますね。指標はPBRがよく使われそうです。

 

収益バリュー

企業が出している利益と株価を比べるやり方。

企業が利益を一株あたり400円だしてるとして株価2000円なら株価は利益の5倍程度か、これは安いじゃん!みたいなやり方。

どこくらいから安いとかするのにいろいろありますね。だいたい指標はPERが使われそうです。

 

成長バリュー

今の会社の姿では高いとなるけど、これくらい成長すれば安くなるよね?として企業成長を勘案してバリュエーションを選定するやり方。

収益バリューの亜種ともいえるるかもしれない。

成長して実際に安くなるのをまつかもしれないし、例えばEPS成長率20%ならPER30くらいはつけられるべきだけど、今はPER15だから安いと成長を待つ前から安さが解消されることを期待する場合もあります。

これはまだ実現してない企業成長をどう評価するか?とかそれに対してどういう塩梅で安いとするのかがいろいろありますね。多くは指標はPERが使われそうです。

 

他にもDCFとかマルチプルとかは代表的ですが(詳細はリンク先でもみて)これは意味合いとしては収益とか成長をどうやって測るか?に属しそうですが。

www.dhbr.net

 

他にも桐谷さんあたりがやってる配当優待利回り4%法とか

style.nikkei.com

 

まあ多種いろいろありますが、自分のそれはどれかなあ・・?って考えるところだけど言うほど近いのも思いつかないので今回だからまとめる感じですね。

 

かもめ的投資バリュエーション論

これは何に軸を置くかというと、自分にとっての保有価値です。

保有価値というか、保有することで見込めるリターンが満足する水準にあるかどうかです。

 

保有して見込めるリターンが自分が満足できるものであるか?どうかにまず基準を置きます。

それにどれだけ足りないか?上回ってるか?待てばそれに届くのか?届かないならどんなリスクがあるのか?

 

保有で見込めるリターンとはなんでしょう。

これは配当や優待などのインカムが例えばそれですね。

吉野家を配当+優待利回り5%で買うなら、配当優待に改悪がなければ20年ほどで回収できるペースだし年5%のリターンを生むって考え方でそれをどれだけ足りないか上回っているか?でバリュエーションの評価をするのが上の桐谷さん法?ですね。

・・・ですが自分はこれに企業価値成長率も加えます。

端的にはEPS、BPSの成長率ですね。

 

保有で見込めるリターンをEPSBPS成長率+インカム利回りとした上で、それが満足できるリターンに届いているか?どれだけ足りないか?をもってバリュエーションを判断する感じです。

・・・ちかいものはないといいましたが実はありますね。桐谷さん法亜種くらいですね。

 

そしてこの視点ではバリュエーションは2つの意味をもちます

まず1つはインカムのリターンの高さ

それでこのインカムに関しては株安=バリュエーション安すればリターンが高くなるわけです。

EPS成長年3%かつ配当利回り3%のものはおおよそ年6%のリターンが保有で見込めるわけです。

このリターンが気に入らないのであるなら株安すればいい。仮に配当利回り6%になるまでさげると年9%になるわけです。

もっとさげ配当利回り12%までさげれば、EPS成長と合わせ年15%を見込めるまでリターンが高まります。

配当利回り12%は単利ではあるけど。

 

これは保有で見込めるリターンです。仮にこの株価で買うならば年15%で回るわけです。売らなくても。

いや、まあEPS成長3%が続いて減配などないという条件は必要ですし、配当利回り12%それも配当の永続性が期待できて12%なんてお目にかかれなさそうでこれは極端な例ですが。

まあともかく株安すると(無還元はだめですが)保有で見込める投資リターンは大きくなるという意味というか、インカムのリターンに対してバリュエーションは直接のりたーんのおおきさを左右するという性質を持ちます。

 

もう一つはEPSBPS成長に対する期待の大きさ

 

上記の視点ではバリュエーションが一定以上のものは配当利回りが極端に低いとなっていきます。

と、同時にEPSBPS成長はバリュエーションが変わっても影響を受けることがありません。

EPS成長が15パーセントであるとき、それのPERが10であっても30であってもそのPERが変わらないのであるなら保有で見込めるリターンは成長率である15パーセントです。

 

インカムに関してはその上下は得られるリターンの調整であるといえます。

しかしEPSBPS成長率がPERPBR変動に影響を受けないからってそれに意味を見出さないという訳ではありません。

この考えではEPSBPS成長に対しては、バリュエーションはEPSBPS成長に対する期待の大きさ及び引き受けるリスクの大きさとして見なします。

 

すなわちPERPBRが高いほど高いEPSBPS成長率が見込めると(市場に)見込まれているだし、より長く安定的にEPSBPSが伸びるとされてるとされてると考えます。

すなわちEPSBPS成長に対する期待の大きさです。

これは同時にその期待が裏切られれば大きくバリュエーションが下がる(≒株安)余地ともいえこれはすなわち引き受けなければならないリスクとも言い換えられます。

このくらいのEPSBPS成長率でこのくらい安定性が見込めるのならこのくらいのPERPBRの高さを受け入れる。より大きなPERPBRの下落リスクも引き受けるに能う成長率はあるのか?という視点でバリュエーションを判断することになります。

 

これは時間でバリュエーションは切り下がっても良いとできます。

例えばEPS成長10パーセントが保有で満足するリターンで、その場合はPER12くらいのリスクは引き受けてもいいとみなした際には今EPS成長25パーセントが買値PER12になるのに何年かかるか?とか考えることになります。

その複利成長率を考えながらどれだけPERが切り下がるか?などを考えながらこれくらいの成長率ならこれくらいのPERなどとものさしを持ってバリュエーションを判断する形ですね。

そして成長率の割に引き受けるリスクが軽いとするなら持ち続ける、保有によるリターンを狙いに行くということで、この視点ではバリュエーションがその引き受けるリスクを表していると見る感じです。

 

 

このバリュエーション論で重要な肝ですが

その軸、基準を自分が保有で満足できるリターンかあるかどうかにおいてることです。

転売を前提にしません。なので市場でも他の投資家でも見込んだ株価になる必要性が基本的にありません。

というよりこれは転売ができないとして満足なリターンとなるだろうか?をクリアしたものを買うわけです。

これがクリアされるなら理屈としてそれが保有で満足するリターンが得られるものである場合、それを買えばその後の株価は気にしなくていいということになるわけです。

 

だって保有で満足するリターンを得られるのだから。

 

いや、売った方がいいリターンになるなら売りゃあいいと思いますがね。

もちろんEPS成長率とかはこれくらいと見込んでも落ちたりするので見込み通りになるかどうかはまた別の話ですが、これはもう自分が保有で満足できるリターンが得られるとした前提が崩れないのならその限りにおいて株価なんてどうでもいいわけです。いやまじで。だから売ったほうがいいリターンなら売りゃいいだろうって。

 

そしてここもポイントですが、転売することに前提を置かないので、転売したときもそのリターンはその持ち主のもとで発揮するはずです。

つまりそれは転売先でも保有してリターンが得られる魅力的な資産であるはずです。だって株式は持ち主によって得られるリターンは変わらないはずだから。

だから保有で満足にリターンが得られるものはあまり株安しないはずなんです

もちろんあなたの保有による満足する水準が人と大きくずれてたらそうも言ってられないんですけどね。

 

そしてこの考え方は自分としては他にあまり類似するものがないと感じるのですが、それは他のが基本的な自ら満足できるか?を測るのではなく市場がどう値段をつけるかにターゲットを置いてそうで、つまり測ろうとするものが違うからではないか?と思うところです。

 

 

そして逆に言うならば

保有で満足できるリターンにならないそしてそのリターンとしては許容できないバリュエーションで持つ、そのリスクを引く受けるのならばそれは転売を前提とするのでしょう。自分はずっと持つ気はない。持っていたら損である。しかしもっと高く買う他人がいるだろうからそいつに押し付けるぞってことだし、その誰かは現れるだろうと考えているということです。

そしてその時は転売された人も同様に思うはずです。それをあらたに手にした人も保有における価値が十分でない場合は結局は誰かに押し付けることを前提にするしかなく、その時は誰かに高値に押し付けられないとなった時に価格を支える価値の根拠をその瞬間に失うことになります。

と言いますか資産バリューでも成長でもグロースでもDCFでもマルチプルでもそれで何かその価格で最終的に自分に押し付けられた時にそのまま持って魅力的なものになると期待できないバリュエーションであるなら自分はそれ以上のバリュエーションで誰かが引き取ってくれると信じるべきでないと思うわけです。

 

だから自分が最終引き受け手になって誰にも転売できないとしても、保有で得られるリターンでもまあいいかって思えるところに欲しいとするバリュエーションを置くわけです。

 

 

だから・・

 

これは(保有するリターンの前提が崩れなければ)買った時点で負けはない。

転売を前提においてないというか置かない中でなお持てるとするものを選択するので、自分と投資対象の対話だけでも投資判断ができて極論すれば他者や市場を気にする必要がありません。見込んだ株価がつかずあれえ?おっかしいなあなんて悩みと無縁です。

 

株安するなら当初の目的の通り保有で見込めるリターンを得てればいいわけです。

 

まあ理屈上はですが。

実際には買った時にあるとしたリターンの前提が崩れるつまり見込み違いをしたり、他にもっといいとするものに乗り換えたときに結果的に損切りで撤退とかはままあります。

見込み違いで成長鈍化とか赤字とかでたりするなら泣いて安くなった株を売って損します。でもそれは仕方ないわけで投資家は見込み違いで企業価値劣化したものを持ってしまった場合はその責任を金銭で取るのが仕事ですので。

 

そういうわけです。

あとは、だからその資産(銘柄、会社、企業)はその価格(バリュエーション)で買って保有し続けて満足なリターンになるのか?

それにどれだけ足りないか?どれだけ上回ってるか?

どのくらいの時間でその状態に至るのか?

見込んだリターンが得られないシナリオ(例えば業績後退や成長鈍化)になった場合どんな不都合なことが起こりそうか?

あたりを考えながら投資判断するわけです。

 

という訳です。

その判断の仕方はいろいろ方法論もありそうですが、今日はここまで。

あと大事なのはあくまで保有で満足するリターンとはその人が決めるものだと思います。

ある人は年20パー欲しいとするかもしれませんし、ある人は4パーで十分かなあと思う人もいると思います。

もちろん目標は下げた方が簡単にそしてより確実に達成出来る選択肢も増えるし管理も楽になるだろうし、上を目指せばよりシビアとか危うい選択もする必要があるでしょう。

 

しかし基本はあくまで自分が保有し続けて見込めるリターン、転売をせずもっと高値で買う誰かに頼らず満足なリターンが出るか?を基準として投資判断をしていくというところがキモなのは変わりません。

良ければひとつの投資判断の考え方としてご参考くださいませ。

 

 

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