大河の一滴

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高成長のフェアバリューは存在し得ない

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フェアバリューという言葉があります。

www.nomura.co.jp

 

「資産運用や投資における概念のひとつで、金融商品などの本質的価値「適正価格」「公正価格」のこと。」

 

とはいいますし、フェアバリューって言葉は投資をしているとよく聞きます。

しかしフェアバリューとは何なんでしょう。

それを考えていった結果自分は、特に高成長銘柄というものにはフェアバリューというものがないと考えるようになりました。

そんな”フェアバリュー”とは何を示しているのか?そしてそれをどう扱うか?って話。

 

ちなみにタイトルはこうですが、中身は結構違う趣旨。いやでもタイトルは確定的に言えることだって思ったのでタイトルにしたんですけどね。

 

過去にもその種の記事はたくさん出してたりしますが今回も類似の話。

記事って例えば以下。ほかもいろいろあるけど。

kamomenotoushi.hatenablog.com

kamomenotoushi.hatenablog.com

 

フェアバリューって投資でよく聞く言葉です。

よく聞きます。適正株価とかも同じ意味かもしれません。

 

これくらいがフェアバリューだからもう妙味がない。

今はフェアバリューだから売らない。

これのフェアバリューはもっと上じゃないか?

株価は常にフェアバリュー。

逆に株価は常にフェアーバリューじゃない。

 

まあいろいろ。

このなんかそれ以下で買えば得しそうで、逆にそれ以上で買う人が馬鹿みたいなイメージももって言われてるかもしれませんね。

 

しかしここでいうフェアバリューとかなんでしょう。

適正株価でもいいですよ?

 

フェアバリューってなんですか?

 

これは一つの仮説ですが

これはフェアバリューとはなんぞ?って自問したときに自分がこういうことではないか?って思ったものですが、例えば期待リターンを調整するところではないでしょうか?

 

期待できる平均?リターンを市場平均レベルに調整されている株価がフェアリュー。

 

効率的市場仮説に登場いただきまして。

www.nomura.co.jp

いろいろ織り込まれた結果市場が持ってて適切なリターンになるように調整された場所がフェアバリュー。

 

まあかもめが出す一つの意見ですが、適正なリターンがどこかはわからないですが、例えばリスク資産で期待されるリターンは7%とか言われたりするのでそれくらいとしましょうか。

 

(例えば)買えば年7%のリターンが期待できるところがフェアバリュー(適正株価)だ。

 

それがあるとして、それを正確に出せるか?は置いといて、それをフェアーと称するのは理解できます。

そして、その7%の期待できるリターンはある種のケースおいては理論的に存在します。

 

それは以下です。

期待される配当利回り+期待される年のBPS成長率(EPS成長率でもいいです)=7%

 

上で効率的市場仮設は出しましたが、市場がすべて織り込むとしてもあるいは一部織り込むとしても、配当利回り+EPS(BPS)成長率が期待リターンでそれを7%に調整されるところがフェアーだとしてそれは株価の変動で調整できるわけです。

 

BPS成長が見込めないなら配当利回りを7%ほどになるまで下げればいい。

BPS成長7%ほど見込めるなら配当利回りがほぼ0になるまであげればいい。

そうすればその株価で期待できるリターンはおよそ年7%になる。

・・・つまりそこがフェアバリューだ。

 

とは、できるんです。

ただ変数はありますね。いきなり配当性向をあげてきたら・・

例えば配当性向10%でBPS成長6%で配当利回り1%が配当性向100%にしたら、BPS成長0%の配当利回り10%になりますので配当性向を上げる可能性をみるともっと下の株価がフェアバリューとできるかもしれませんし、これはルールが変わりますが特に低PBRなどはいきなり解散し払い戻しとか、それでなくてもTOBとか持ってる現金を全部還元とかすると、ものすごい株価の差をつけないと払い戻し額やTOB価格が5倍とか配当利回り100%以上とかにもなりかねないので特に低成長率例えばBPS成長0%とかのものは非常に株価を下げないと7%に届かないと思いますが、実際そうなってないのは、それらの変数とかいきなり業績向上する可能性も織り込んでいるともみなすこともできなくもない・・

 

ちょっと分かりづらいかもですが、それらの変数も含めて・・・

期待される配当利回り+期待される年のBPS成長率(EPS成長率でもいいです)=7%

で、それらが7%以下のものは株価調整で7%に調整しうると言ってて、それがそれ以下はならTOBとか業績向上とか解散とかの変数ですごくリターンが上る可能性も踏まえてその株価がついてるとはみなせるといえばみなせるし・・

・期待される配当利回り

・期待されるBPS(EPS)成長率

TOBで高値で買われる期待値

・いきなり業績向上して配当やBPS成長率の大幅加速する期待値

・解散しての資産払い戻しで儲かる期待値

上記くらいの変数を用意できればフェアバリューを算出し現在の株価と比較してどうのこうのもできなくもないでしょう。いや、最初の2つより下のそれらが算出しうるかは置いといて。

 

まあでもたぶんこれらは難しいと思うし

実際にもきっとそのような法則で株価はついてないように思えるんですよね。

特に地銀とか低ROE銘柄で出てきそうなBPS成長と配当利回りで7%なさそうなものがその足りない分を埋めるだけのTOBされて高値で買われる可能性とか業績いきなり跳ねる可能性があるかというとそんなにはないだろうってのが実感ですし。

 

まあそういうわけでここまでの話はきっと現実ではまるで通用しない理論的なフェアバリュー論なんですが、実はもっと問題のあるものがあります。

というより自分は最初からある種のケースおいては理論的に存在すると上でいいました。

裏を言えばそのケースに当たらないものには、それが理論的にも存在しないとなりそうで、そのような問題のあるものとはBPS成長が適正リターンを上回るもので成長し続けると見込めるものです。

 

つまり高成長企業だとフェアバリューという概念がそもそも理論的にも通用しない危惧があると私は考えてます。

 

年15%以上のペースでBPSが成長し続ける企業があったとして

それを市場平均並みの年7%リターンに調整するフェアバリューとはどこでしょうか?

実際にBPS15%以上をマークする企業は普通にあります。10年以上それぐらい続ける企業だって結構あります。

 

さあそれを買って持って平均的なリターンにする株価・・フェババリュー・適正株価はどこでしょうか?

 

・・・・

 

・・・これないはずなんです。ある人が買って売ってそのある人が例えば年7%に取れるという株価はありますが、ずっとPBRが下がりつずけるとかでないならリターンを7%に調整しうる株価って理論的にないんですよ。実際にそんなことは起きてないけどPBRが下がり続けるは配当利回りが上がり続けるになります。下がり続けるなら配当利回りで7%を上回ることになります。いや、BPS15%伸び続けてるものがその分PBRを下げ続け配当利回り7%を越えた事例なんて見たことないですけどね。

 

・・ここではこれだけ理解していただければいいです。

成長率がフェアーリターン以上あるものにおいてはそれをフェアーリターンにする株価など”理論的にも”存在し得ない。

けれどある人を罰したり依怙贔屓することはできます。ある人が買ったらBPSは15%増えてもPBRが30%減りその人は15%の損をするのはありえます。でもその場合は他の人がPBRで15%あげBPSでも15%あげて30%増やすという依怙贔屓をすることになるでしょう。

そして高成長のものがPBRが減り続けるあるいは増え続けるということがなければそれは平均すれば結局BPSの成長率にリターンは帰結することになります。そして現実にも誰かに罰を与えたり依怙贔屓をしながら長期的にはおおよそBPSあるいはEPSの成長率にリターンは帰結します。それが市場平均より高いなら市場平均より高い水準で帰結します。

 

だから、ないんですよ。リターンを調整する株価とか。期待される成長率が適正リターン以下なら配当利回り調整すれば調整できるけど、越えたものは調整できません。

そこにはリターン市場平均に調整する株価などありません。

 

まあ何がいいたいかと言うと

それを平均的なリターンに調整する株価だとしてそれをフェアバリューだとするとき。

平均的なリターンより成長率が低いものは配当利回りを調整する(+αのTOBとかの他の要因も調整しても)ことでそれらしい値は出せるけど実際問題到底そうなってるようには思えないし、それが平均以上のリターンを続けると見込めるものはそもそもそれを平均リターンに落とす株価というものが理論的にも存在し得ない。

 

とりあえず平均的なリターンに調整する株価としてのフェアバリューって考えにくいわけです。

ふう、前置きが長くなりましたがやっとここでこの質問を投下できます。

 

ならば、そのフェアバリュー(適正株価)って何?

そのフェアーとは何を指してるの?

 

あなたはそれをフェアーという。

そのときそのフェアーとは何を指しているのか?

 

といういわゆるフェアバリューなるものに対する疑義なんですよね。

それは一体何を指しているのか?そしてそれは信じるに値するものなのか?という疑義。

何を指しているのか?これには自分はいくつかの候補を持ってます。

上で散々言ったように調整されたリターンを実現する株価ならNOです。そんなふうに実際つけられてないし、あるものは理論的なその値すらない。

じゃあ・・・

・勝率50%を実現する株価

・平均的(中央値的)PER(PBRでも配当利回りでも)

・雰囲気。特に意味はない。

・その他

 

特に意味はないに惹かれたりしますが、自分はひとつこう考えるといいかなって思うものがあります。

 

ゼロサムゲーム(対人ゲーム)の持ちカード

これは今のかもめがそう思うというレベルの話なので別に賛同とかしてくれなくてもいいですが、それはゼロサム・ゲーム(対人ゲーム)の持ちカードくらいにみなすのがしっくり来てます。

ポーカーの手札あたり。

 

フラッシュが来て勝てそうと思ってもストレート・フラッシュが来て負けたり。

4のツーペアで弱いと思っても相手はブタでそれでも勝てたり。

この配られた手札の強さがほどほど、強くも弱くもないというお気持ち表明をするところがすなわちいわゆるフェアバリューです。(我ながらひどい定義だ)

 

いずれにせよそれはポーカーの手札でそれをもってその投資で利益になるか損になるかは見定めるのは極めて怪しい概念に思えます。

まあ他でも勝率50%のポイントとかわかるのかよ。って思うし平均的PERとかPBRなら過去からのデータでらしいところを引いてそこをフェアバリューとはできますね。結構有効な手法になるかもしれません。もっともそれはフェアバリューとかではなく平均的PERとか称すべきものだと思いますが。

やっぱり特に意味のない雰囲気も捨てがたいですね。

 

だから自分の狙いはそれに疑念が向けられることです。

フェアバリューでも適正株価でもなんでもいいですし、それにどういう意味を与えるかもあなた次第ですが、自分ならそれは限りなく怪しく不安定な存在で信じて頼むには足りない存在だという風になってます。

だからそれを頼み売ったあとも平気でそこから突き上げ株価はもっと上がるし、逆にもう十分だとして買ったとしてももっと下がるのも平気であるわけです。

 

フェアバリューとは所詮そんなもんなんですよ。

 

故にそういうものと理解して扱う必要はあるし、また足りないとするならなにか他の要素で補う必要もあるかもしれません。

あなたがどういうものをフェアーと呼ぶとするかはわかりませんけどね。

その中で自分はもフェアーとはなんだと疑問は持ちつつその限界も考えながらそれに付き合っていきたいと思うわけです。

 

 

フェアバリューとはなんですか?

フェアーとはなんですか?

あなたはそれにどんな意味を与え

どのように扱いますか?

 

 

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