大河の一滴

大河の一滴

まったり一滴を注ぎ続け大河になる大河をつくることを目指す投資ブログ

MENU

(7003)三井E&S/東証PR/機械(分)

スポンサーリンク
f:id:kamomenotoushi:20230104215415j:plain

基本データと取り上げた理由

株価:470円(人々は、長く叩きのめされ続けたどん底で顔をちょっとあげている。)

基本データ
コード 企業名 市場/業種 時価総額(億) 決算期
7003 三井E&S 東証PR/機械 438.21 2024/03予
予想売上(億) 予想営業利益(億)/利益率 長期平均営業利益率/年 PER PBR
2800 100/3.57% 1.54%/18年 13.9 0.4
売上成長率(年複利/期間) EPS成長率(年複利/期間) BPS成長率(年複利/期間) 予想ROE 平均ROE/年
-4.59%/17年 -10.4%/17年 -2.74%/16年 2.86% 0.57%/18年
長期営業CF(億)/年 長期投資CF(億)/年 長期FCF(億)/年 長期平均FCF(億/年)/年 実績ROA
2632/17年 -2113/17年 518/17年 30.49/17年 3.66%
総資産(億) 自己資本(億) 自己資本比率(%) 配当利回り(%) 配当性向
4399.59 1064.06 24.2% 0.64% 8.87%

 今日は分析。ちょっと記事作成の時間をあまりとれなさそうなので二週連続分析。某所で見かけた銘柄リストと中から気になったというかブログであまりやってなさそうだなと思ったものをチョイスして分析します。三井E&S。総合エンジニアリング会社、(旧)三井造船。。主にKABU+,銘柄スカウター,IRBank,株探からデータ取得今回データは2023年08月25日取得。

業績財務CF推移とそれに対する分析

業績

ざっくり業績推移をみてひと言「打撃からの復帰?」

今回の某所とは投資勉強会ですがそこでも造船関連の銘柄はいくつか上がってて、今お船がアツいというか注目されてる個人投資家さんも多そうな印象ななかで、ここは元三井造船ということでその文脈のチョイスでしょうか。これは説明とか聞いてないので誰がどのような意図でチョイスされたかは不明です。今週全部ね。

機械(舶用ディーゼル機関、産業機械、港湾関連構造物)

海洋開発(PSO等の設計/建造/据付、チャーター、オペレーション)

エンジニアリングの3領域で事業展開。

船舶ディーゼルだと国内トップシェアのようですね。

セグメント。一応船舶ある。船舶は小さいけど機械に船舶ディーゼルとか港湾物流機械とかも入りそうで、よりお船寄り。

(銘柄スカウターから)

 

製品など。

事業・製品 | 三井E&Sグループ

ラインナップみると重機械というか重工業ですね。ごりごり。

シクリカルなイメージを受けますが実際にシクリカル。

1999-2017年までは営業赤字こそないけど、売上利益は上下するし、純損失は2013年にありとかでシクリカルが2018年以降営業から赤字連発で2023年には売上もかなり飛んだというか不採算部門がでて赤字連発したので大手術した感。

赤字2018「船舶、海洋開発及び機械部門において減益となったことにより、前連結会計年度の83億4百万円の利益から52億24百万円の損失」

船で売上は計画どおりも建造コスト増で赤字とコスト高を価格に転嫁できない感じでありエンジニアリングでも不採算案件があったっぽくその影響がありそうで。受注大型で公よりのものも多そうな感じで、仕事を受けて終わるまでに期間も長くなりその間のコスト増とかおきると成すすべもないような印象はうけます。

で、「昨年11月14日に記念すべき100周年を迎えた当社は、「MES Group 2025 Vision」・「17中計」達成に向けた経営改革として、2018年4月1日付けで船舶・艦艇事業、機械・システム事業及びエンジニアリング事業を、それぞれ会社分割(吸収分割)の方法によって「三井E&S造船株式会社」、「株式会社三井E&Sマシナリー」及び「株式会社三井E&Sエンジニアリング」に承継させ、純粋持株会社体制へ移行するとともに、商号を「三井造船株式会社」から「株式会社三井E&Sホールディングス」に変更」で100周年を切ったところで社名もかえて心機一転が厳しいスタートになってるのがなかなかしんどい。

2019/2020も大きな赤字。

2019「エンジニアリング事業の海外EPC(設計・調達・建設)プロジェクトにおいて、大規模な損失が連続して発生したため、当社グループの財務基盤は著しく毀損し、自己資本の回復と資金の確保が急務」

2020「営業損失は、船舶、機械及びエンジニアリング部門で改善や損失の減少がみられた一方で、海洋開発部門の三井海洋開発株式会社が海外プロジェクトにおいて損失を計上」

と海外で難しい仕事してしくじってるというか競争が激しそうな中で難しい案件を取らざるを得なくそれでしくじってる感じでしょうか。

で飛ばして2023。大幅減収と黒字復帰「不採算事業の整理・撤退等を進め、祖業である船舶の建造事業からも事実上撤退する等、2022年度までに、子会社・不動産等、約20件、総額1,200億円超の事業・資産売却を断行〜懸案であったインドネシア共和国向け火力発電所土木建築工事についても、既に発電プラントの商業運転が開始されており、リスクは格段に縮小〜2022年3月31日には「第三者割当によるA種優先株式の発行、第三者割当による第1回行使価額修正条項付新株予約権の発行」によって、合計約170億円の資金調達を行うことを公表し、2022年6月30日に「A種優先株式」90億円の払込手続が完了した他、「第1回行使価額修正条項付新株予約権」は2023年3月末時点で約33%、約23億円が行使され、財務健全性も向上」

端的にしくじりまくって危機的状況になったのが祖業を含む不採算事業の処分としくじり案件の落ち着きと財務政策などなどで、目先黒字を回復し・・

どかんとBPSも減らしながらも目先はBPS増に転じることができましたと。

わりと散々な次の100年の始まりですがとりあえず首は繋がった感はあります。

と、さらに盛大にこけて仕切り直し感で中期経営計画再設定で、商号も「株式会社三井E&S」でホールディングスを下げましたね。

と、散々な感じでしたがひとまず規模を落としながらも黒字を確保、目先の1Qも黒字通過で仕切り直しという感じです。

 

中期経営計画。

事業再生計画に一定の目処がついたそうです。

このようなことしたみたいです。

造船撤退で、得意なエンジンやクレーンの部品や機械に集中する感じでしょうか。

今後はここあたりがコアでしょうか。黒字化財務健全化。

営業利益率6%はいくと過去の好調だったとき(2011前後)と同程度で、当時のROEは10%近辺。自己資本比率は当時より上の目標なのでROEそこまで上がらないかもですが、10%近くなら今のバリュエーションは・・・?みたいなところはあるかもです。

なところはあるけど、売上自体は今年の計画の2800億で計画は収益性の立て直し主眼であり成長を求めてる感じでもないのは留意点。

その他はここでもみて。

中期経営計画│IR情報│三井E&Sグループ

 

財務

総資産減少に、自己資本比率8%切りに利益剰余金マイナスまで。

だからわりと危機だったということですね。

(IRBankから)

有形固定とか3800億が1160億ほどまで減ってますね。いろいろ切り売りした感は。

で、前期末で総資産4400億で有形固定1157億。流動資産2126億。その他大きいの有形固定資産688億あたり。

流動は現金458億は増えてない。手形818億は前期からは増えてる。商品仕掛品500億ちょいは目先増えててここは回復と見てよいのでは?不良在庫が増えてると見れるかもしれないけどさ。

まだ仕切り直しから数字がすくなくまだ傾向をみるのには数字が少ないところはあります。

負債3292億。2022でぐっと圧縮してます。有利子負債1415億。いちおう現金有価証券にちょっとくらいで財務よくはないけど危機はひとまず脱した感は。

他に大きなものは手形549億未払費用契約負債などが650億程度と異常な感じはひとまず。

・・みたいな感じで虎口は脱したかな感。自己資本比率もあがって利益剰余金もプラスに回復したし。

 

CF

 

とりあえず投資の2020、2021でプラスで2022はマイナス。2022はマイナスで投資?って思ったけど、これは投資CF709億支出のうちに連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出が600億とかになってるのでリストラ費用。

で、売ってるのに支出ってなんぞ?って思ったら「子会社株式売却に伴う支出または収入(連結会社の子会社株式売却による収入額と当該子会社が連結除外時に保有していた現金及び現金同等物との差額)」とかで一方連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入で59億なので、600億もってた会社を60億で処分したになるんでしょうか。有利子負債がそれ以上に圧縮されてたら分からなくもない話ですが、そこまででもなく、よほどCFの筋が悪い事業とかでないと・・とかは思いますがこの投資CFマイナスも事実上のリストラで投資してるではないですね。

そこまでしてるけど2023は営業CFマイナスですね。これは受注工事損失引当金の影響が大きそうです。

ここあたり。

受注損失引当金ってなに?用語や要件と計上の流れについて知ろう | Offers Magazine

たぶんエンジニアリング関係のものだとは思うところですが、これの今後の影響はちょっと不明。あるいは赤字として出てくるやもだから投資するなら理解してたほうがよいかも。

と、資産大処分の大鉈振るって現状まだ営業CFの回復まで至らないでまだこの辺はしんどさもあるようには。

 

月足週足日足の値動き判断

月足でさげてよこよこ
週足でもみあいだけど目先はあげっぽい
日足であげてよこよこ
確認。

評価・売買判断

テクニカル的には、2007年に高値あり7370でリーマンあたりまでさげて上下あるけど2009-2019年で2600-1200(850)くらいのレンジを形成から2019-2020で崩れて2020年10月326とか2022年3月312から反転感ありで、特に312から週足レベルは上昇感ある推移。

リーマン以降下がりに下がったものが反転したとも見える感じであるいは反発が長くなりあるいは年単位もあるかもしれないとみるのも。とりあえず週足では上昇感出てますね。目先安値453とかが基準でしょうか。あるいは10年以上の巻き返しが年単位で進むという想定なら312を基準設定してもいいかもしれない。あとは反発はどこまであるか?みたいな月足レベルでは普通に下げてヨコヨコでまだまだ冴えない部類の推移とも見れるし。どう考えるか。

 

ファンダ的には、元三井造船。100周年でホールディングス化など心機一転感あるけど低迷が重なり、赤字連発で財務危機からのリストラで事業を大きく処分。祖業の造船も手放すことになったが、目先は黒字化でよく言えばスリムになってきれいになったではあるし、シェア高い船舶エンジンなどは守ってるので強い部分が残ったとも。その強い部分?を軸に回復に向かってきてるはそうで、黒字回復で財務はかなりスリムになり自己資本比率の回復、利益剰余金のマイナス解消など取り合えす仕切り直しも成功して目先1Qも黒字通過。

いっぽう前期から増収ではあるけど反撃当感じより計画も増収とか成長とか言うよりは収益性回復に財務健全化でまだリストラさなか感は。ついでにまだCFが怪しい。

一息ついたけどまだ安心できる状況にもないようには。まあでも回復方向には向かってそうです。

評価。

PBR04.5ほど。利益はどうとでも転びそうなシクリカルだしPERはハリボテとみてていいのでは。となるとPBR0.4台で普通に低評価。危機で資産飛ばして株安ですが、こういうのは株安ぶりよりBPS減の方が大きくPBR返ってあがるはあるあるですが、実はわりと現状でまだ普通に低PBRで、三井造船時代というか2016年以前のPBRより低そうな雰囲気ありますね。

もちろん会社の状態は悪そうだしCFとかきな臭さも感じて大丈夫だなんてことは安易に言えませんが、危機からの復帰局面で、だめな所はかなり削ぎ落とされ資産などは回復局面でROEなども上昇しててなにげに過去より高ROEがより低PBRかな?ってところもあります。悪いところが多いは改善できる伸びしろでもありそのような改善余地もかなりありそうなのが低PBR・・ってのはあるのでこれはこれで狙い目もあるようには。まあ状態は悪そうで悪化するとまだ危機継続とかも考えられなくもないではあるんですけど。考え方というかどういうリスクを許容するか?って話だとは思いますが、だから似ても焼いても食えないようには見えません。

あとは低ROEになりそうな雰囲気もなくもなく、そうなって造船のテーマ性?が色褪せると渋いかもしれませんね。大型赤字とかないならそう下のPBRがあるとかでもないだろうとは思いますが。

 

リンク

KABU+:https://kabu.plus/

銘柄スカウター:https://monex.ifis.co.jp/index.php?action=tp2&sa=report_zaimu&bcode=7003

株探:http://kabutan.jp/stock/?code=7003

IRBANK:https://irbank.net/7003

その時の感情気持ち(個人的な独断で考えたことも加えてみる)

9月になったけどまだ暑いね。

それくらい。

 

 

記事を気に入ってくださった方は↓をクリックしてくれると嬉しいです。
 にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ

 

記事補足してます。

用語解説(日記:銘柄分析記事2022/12/19以後)

この記事の表とデータとグラフは以下のツールで作成しました。

銘柄スカウターで銘柄比較表

 

投げ銭。この記事やブログが役に立ったとかあったら投げてくれると嬉しいです。codocのアカウント登録とログインが必要でクレジット支払いコンビニ決済ができます。

投げ銭機能つけてみました - 大河の一滴

※有料部分の中身はありません。

この続きはcodocで購入