こういうのはよく話題になるのですが
投資が流行って?ますよ的なものが来てそれであまり知識が豊富でなさそうな方がメディアに登板して投資はじめましたみたな感じで取り上げられて。
それで投資巧者?がそのはじめました人の不備を突っ込むみたいな景色はよく見たりします。
これを見た。
また二階建でネタにされそうな番組やっとる(´・ω・`)#ミスターサンデー pic.twitter.com/JfFsjxRBmM
— moja🧚♀️ (@moja99758134) 2022年6月5日
で、今回は初心者がテクニカルかよ!?みたいなツッコミを複数見ましたが、自分はテクニカルはわりと資金管理などのハードル低いと考えたりしてて今回はなんでそう思ってるのか?みたいな話。
・・なんですが、テクニカルを褒めるというよりはファンダメンタルズ投資の重大な矛盾点を指摘し、でもそれが武器になるよねみたいな話。
あと件のものは今回の話のきっかけにしただけで、自分もそのへんの界隈と同じ意見でこんなの広めるのは害悪だみたいなところは同意ですね。
チャートがFXの5分足だろみたいな指摘も見てさすがに投資経験少ない方がゼロサムでかつそのゼロサム競争がもっとも激しいところに竹槍で突っ込むみたなものだろ損して終わるだろオ㍗ルとか思うのはそうですが、それはおいといてみたいな話。
このへん。
この番組は害悪だとは思うんだけど、自分的には予測の手段ではなく資金管理の手段として使う難易度要求知識はファンダメンタルズ>テクニカルだと思ってたりする。
— かもめ (@kamomejan) 2022年6月5日
付き合っていい下落を区別するのは上昇トレンドと下落トレンドを区別し、下落と判断して逃げることはわりと要求スキル低いし。 https://t.co/xOWvcXUfsz
上のツイートした通り自分は・・
資金管理などの手段に用いるのは、ファンダメンタルズよりテクニカルのほうが要求知識が低く・・つまり簡単だと思ってるんですよね。
・・・とそういってもそんなの疑問だって思う人はいるでしょうから、テクニカル的な見地からその資金管理するまでがどの程度容易いか説明してみましょう。
自分の知る限りでは、原則的にテクニカル的な立場でよくある手法は”あがる株だけを持つ”です。反発を取るみたいなものもありますが基本ほぼその手の手法は上がってるものを持ち下がるナイフは忌避するものと理解しています。
それでなにをもってあがるとするかはいろんな見方がありますが例えば以下です。
高値安値の切り上げを上昇トレンド。
高値安値の切り下げは下落トレンド。
どちらでもなければ調整、もみ合い。
他には代表的なものは例えば移動平均線の向きとか移動平均線の上部あるいは下部に株価がいるか?で判断するとかがあります。
それらの基準を用いれば、それの株価推移が下落トレンドか上昇トレンドかあるいは調整か判別するのは容易ですし、どこまで下がったら上昇から下落、あるいは下落から上昇に転じたとするという判断も容易です。
あとはそれに期間の概念を乗せるくらいです。
ピンと来ないようでしたらやってみましょうか?
日足(2022/6/7抽出)この日4485円。
全期間高値安値の切り上げで上昇トレンド。
これが崩れるのは例えば4187割れ。
故に4187を割らないと日足上昇トレンドのものを持ってるであるし、4187未満になると下落転換で、それでももってるのなら”さがっている株をもってる”ことになる。故にそこが撤退するポイント。
4485で買い4186で切るなら-299円でおおよそ6.7%マイナスと、買う前から損するならどの程度損するかもと試算計画した上で取引できるわけで、そしてそのための要求知識はめっぽう低いです。
週足(2022/6/9抽出)この日4480円。
これは見方にもよりますが2604からは上昇ですかね。安値設定が分かれそうですが3237でしょうか。これは3237を割れなければ週足上昇トレンド継続ですが、割る展開になるなら4480から3236は1249円マイナスでおよそ28%マイナスでなかなか大きそうなのでどう考えるかですが、その前に切るならそれは上がってるのに切るということで、”あがる株を持つ”に反してますね。
いずれにせよテクニカルだと値動きしかないので、そこから上昇、下落を定義するのは容易く、”買う前から”期待に沿わなかったときの被害を明らかにし、そして被害を限定しながら投機(投機といいますが)できるわけで、そうするための要求知識は存外低いわけです。
月足(2022/6/9抽出)この日4480円。
これは2015年まで上昇で、以降は2022までは高値切り上げてるの上昇とも言えなくもないけどこれはもみ合いとか調整と見るのがよさそうに思えます。
これを調整と定義し、調整を終わっての再上昇、調整安値2331を下回ると下落トレンド突入とみると、2331を軸において取引計画を建てる感じです。週足と同じく3237あたりも基準にできそうです。
と、なんらかの方法で上昇と下落(及び調整)を定義し、その中でどうなったら下落だと定め下落に入ったときには売る。(買う前にその被害額が特定できているはずです)
ということはできることだし、そうすれば、原理的に”上がっている株”しか持たないが成立するわけで、それをするために要求される知識はそんな高くないわけです。繰り返しますが。
あとは期間の概念があるくらいです。
ただこうはいいってますが儲かるとは言ってません。
たぶんインデックス積立あたりに勝つのは難しいか運否天賦です。
何をどのタイミングで選ぶか?みたいな銘柄選択の視点もないので、細かく負けまくるかもしれません。(期待値でいう勝率が悪いですね)
ただ、資金管理を構築するのはわりと簡単です。というか多分容易。
だから買う前から損失を計算できるからです。
上の月足で2330以下になったら損切をするとするならだいたいそこでいくら損失がでるか計算できます。
それが許容できない損失なら、買わないとか量を減らして許容損失額に抑えるという行為も簡単です。
そして、損切をする損を限定して計画的に投資に入ることをするならもう市場参加者のうち7割ができてないことでしょう。すなわちこれをやれば上位3割に立てます。たぶんね。2割かもしれない。
そして三割か二割かは知らないけど、そこに立つのにより容易に行けるのはテクニカルのほうなんじゃないかな?と言っているわけです。
テクニカルを触りながらそのへんに対する理解が乏しい人のことなんて知りません。
実際問題ファンダメンタルズだと難しいと思います。
無理かもしれない。
ファンダメンタルズ投資を超ざっくりメジャーな基本的狙いを大別すると・・
よくなっていくものを買う。(悪くなるものを売る)
及び
安いものを買う。(高いものを売る)
です。インカムとかもありますが。
そしてこれはファンダメンタルズ投資の矛盾だし欠点であるし、とても重要なことだと思うけど・・
良くなっているものを売ったり、やすくなっているものを売るのはその目指す志向から外れているんです。
良くなっているものを売る(会社なら成長している企業とか)
安くなっているものを売る(だいたい株安)
ってのは前の瞬間からすれば原則有利になっているとされるもので、原理的なことをいうなら売るよりは買うべき局面と言えるんです。
そしてここが重要です。
上がってる株を買うは、そのことをすると投資家は利益を得るという構造にありますが、ファンダメンタルズ投資にその目指す志向が株高と同時に起こるとは限らないし、安くなるならほぼ利益ではなく損を広げるという構造で目指すことで有利になることが必ずしも利益に直結するわけじゃないという矛盾があるわけです。
だからファンダメンタルズ投資をする場合はこの矛盾と対峙しなければならなくそのためには投資家にはテクニカルに比べてより高い知識やスキルを要求されるわけです。
その会社は・・
成長しながら価値を増しながら大いに株安するかもしれない。
その会社はもう安いけどもっともっと安くなるかもしれない。
あなたは有利になると思っていながら実際に有利になっていると思われるのに結果は大惨敗で大損に向かっていくかもしれない。
その矛盾に対してあなたは知識やスキルをもって対応しなければなりません。
まあ資金管理するならより難しいわけですよ。
株安するほど有利になると言えるけど有利になるほど有利だとしてたくさん買うほど有利になるほど損が増えていくという構造にあります。
そしてある場合はそこに決定的な価値の毀損が起こり大損こさえて安くもなくなってしまうなんてことも起こるかもしれないというか、この構造は初心者から上級者までたくさんファンダメンタルズをみる投資家を殺してきた矛盾なわけです。
テクニカルトレーダーならそんな下がる株とっくのとうに損切して被害を抑えてるはずだけどね。
下がってる株を売れないのはもうルールを守れない三流トレーダーであるけど、投資家は三流でなくても下がってる株を持ちがちなんです。
だから投資家の基本は、価値をあげるものを持つこと及び安くなったものを買い持つことで、それは直接の利益と相反する下がってる株を持つことも多く、安くなってるならそのもので、だからこの矛盾と対峙し克服しなければいけないわけです。
繰り返してるけど。たぶん重要なので。
何回も言ってるけどこれは重要な視点で
まともなテクニカルな言説に下がってる株を持てなんてものはないわけです。
ほぼ全部というかまともなものならきっと全部、下がったら損切をしろなんですよ。
(反転を狙った逆張り手法はありますが、それも結果が叶わずさらに株安したら損切れとしてるはずです)
それはだからさがってる株を持たないためです。
だから下がってる株をもってるテクニカルトレーダーなんて教えを守ってないからそうなってるなんですよ。
だから損切をしないできないトレーダーは程度が低く、程度が低いから損してるわけです。
そこには教えを守れなかったから損してるというシンプルな法則があります。
これに対してファンダメンタルズ手法だと、教えを守った結果が大損とかありえるわけです。
もちろん宗派派閥があるので、誰もが同じことを言うわけじゃなく全く違う事を言う(これもファンダメンタルズを難しくしてると思いますが)こともありますが・・
・成長してるものを買え
・安いものを買え
・安くなったら損切などせずむしろ買い増せ
・いいと思ったサービスをしている会社を買え
・よく知ってる会社を買え
とかよく聞きますが、これらを守った結果大損とか普通にありえますからね。
メルカリが使いやすくて感動した、会社をチェックしたらすごく成長している、よくサービスをつかって会社もよくわかった(と思った)
としてメルカリを6000円ぐらいで買ったら気がついたら3000円以下になってたなんて普通に起こりえます。
よく言われる教えを守ったらこその大損したがあり得るわけです。
下がってる株は持たないがあったら4710切ったあたりで損切りですかね?
もちろんメルカリは赤字の成長とかだし安いのを買えというところでは満たしてるか疑問だけれども(でも5000円くらいでもう安い買い増すべきだとするなんて人も居ただろうと思われます)、あるいはもっと成長して報われる未来が来るかもしれないけど・・・・
会社をよく知ってるにしても昔JFEとかに務めてる人がJFE株持ってて数年後見たらその時から株価何分の1とかになってたみたいなこともあったし。
ファンダメンタルズ投資は初心者が普通に嵌りそうなそのようなトラップが多すぎるわけでそれらのトラップを察知して避けていくためにはだからテクニカルより多くの知識やスキルを要求されるわけだし、より複雑な分資金管理などするにしてもより難易度が高いだろうと思うわけです。
そしてその要求される知識で思いつくのは・・
バリュエーションや”安さ”に対する理解
市場に対する理解
伸びやすい企業、伸びにくい企業とかシクリカルとかディフェンシブとか企業に対する理解
財務諸表等を読めることとか企業状態に対するリテラシーや理解
例えばだけど。他にもいろいろありそうだね。
そういうわけで投資家はそういうのを身につけていかなければならないし、また身につけないとまともに身を守れないと思うのです。
というわけでちゃんと戦えるようになれるために必要になる知識って・・・
テクニカルよりファンダメンタルズのほうが広範だしまた複雑なんです。
故に初心者・・・これは投資して結果はただ運否天賦に任せている状態を脱してるとしますが・・・を脱するために知るべきこともファンダメンタルズのほうが多いわけです。
ただこれはテクニカルのほうがいいじゃんなんて言う話ではありません。
初心者を脱するために必要な知識はテクニカルのほうが少なくて済むでしょ?って言ってるだけです。
剣だけ覚えても剣の初心者は脱せるけど剣しか覚えてないなら剣でできることしかできません。
それよりは、槍を覚え弓を覚え盾の使い方馬の御し方も覚えるのは剣だけ覚えるより大変ですが、覚えたときは剣だけより多くのことがわかりますし多くのことができます。
たくさん覚えなきゃいけないけど覚えて使いこなすならよりたくさんのことがわかるわけです。
なんならテクニカルトレーダーは投げるしかない下がってる株を買い増していき、最後テクニカルトレーダーでは手にし難い大きな利益を得ることだってできるかもしれません。
それには、持っててもいい株式や買い増すべき株式を見分ける必要があります。
それを全部投げるものとして区別しない行為よりその区別をするためにより知識が要求されるのは当たり前でしょ。
しかし投資家がその知識を手に入れれば、投げるべきものと買い増すべきものを区別し、買い増すべきものは買いますことができるようになります。
もちろんそれは、それを投げるという選択しかを持たない人に対する武器となります。
それであえて強く言うけど、投げるべきものは投げないとだめだからね。
ということです。
そんなわけで自分はちょっとハードルが高くはなるけど、より知識やスキルをつけてより多くのケースでより適切な判断ができるようになりそれを武器とすべく精進しないとなあとか思ったりするわけです。
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過去何回もやったらプラスだったものが再現すると信じてそれを繰り返すトレーダー。
繰り返すトレーダーは予測をしない。