大河の一滴

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還元方法あれこれ

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株主還元は定期的に話題になります

みなさんもらうことは大好きって話なんでしょうね。

そんな中で、その還元方針については話題になったりすることも多いという印象で、今回はその還元方針をまとめてみるという企画です。

概要とかもめが思うメリット・デメリットと向いてると思う企業をまとめていこうと思います。どちらかといえば企業側の立場ではこうではないか?とした感じです。

総会とかで会社になにか意見を言う機会に御社はこれがあってるのでは?とか提案してくれたりするのなら嬉しいです。

そういう面もありますがわりと適当ですしわりと遊んでる記事です。

 

有価証券報告書を読むと方針が書かれています

ちなみに配当方針は有価証券報告書の配当政策のところに項目がありそこでだいたい方針が書かれてますので参考にできるケースが結構あります。(還元方針がちゃんと決まってるとか守られれるとは言っていません)

 

あと参考記事。かもめの配当優待銘柄の選び方。

kamomenotoushi.hatenablog.com

 

還元方針あれこれ

たまには目次つけましょう。

無方針

還元方針を明確に出してない(明記してない)企業は多めです。

様々な要素を勘案し適切な・・・てやつですね。

臨機応変とも言えますし、無策とも言えますが、言わないだけでざっくりした方針らしきものは推測できたりもすることがありますが、明示してないのんで答え合わせはできませんね。

 

メリット

立てた方針に縛られずその時の状況に応じて変化にとんだ施策を打ちやすい。

(突然今期は投資に全力を注ぎたいので今期は無配ですとか)

方針を開示してないので会社側としては投資家から方針と違うじゃないかとか叩かれたりしにくい。

 

デメリット

投資家からするとどうなるか予測し難く投資判断が難しくなる。

方針定めてと文句も言われるかも知れません。

 

向いてる企業

投資家還元をあまり重視してない企業

臨機応変に還元方針を変えたい企業

 

配当性向

その年の利益の一定を配当するというものですね。

30%ならその年100万儲けたから配当30万ねみたいなやつです。残りの70万は会社にためて投資とか運転資金にしますって感じでしょうか。

(配当性向)

用語集 | 日本取引所グループ

多くの還元方針を明らかにしている会社で採用されています。

 

メリット

わかりやすい方針であり多くの人が理解しやすいものでありあまり説明を要さないこと。

利益が減った場合でも会社の資金(運転資金など)を確保しやすいこと。

多くの企業がやってるので横並びできる。

 

デメリット

減益すなわち減配になりがちで、その場合業績後退と減配が起こり株価にもボラティリティがつきやすいこと。減配と株安を食らって文句を言ってくる投資家もでやすいかもしれません。

 

向いてる企業

利益及びCFが安定している企業。利益が安定してるなら、減益もないですし減配にもなりにく減益したらすなわち減配の配当性向の欠点が出にくいです。

 

少ないのをきまりきった額で

利益が出ようと出まいと決まった配当を出し続けるようなやつです。

業績や株価によらず毎年一株につき5円とかですね。

 

メリット

決めればその後還元や配当のことを考えなくていい、運用がらく。

負担が軽い金額に設定すればだいたい企業負担も軽い。

 

デメリット

投資家に好まれない還元方針なので、あまり投資家に相手にされなくなるし、味方もへる。配当性向少なく現金などをためてた場合等はときには敵対的買収とかの対象になり非常に困難なトラブルに巻き込まれる可能性もあげる。

軽い負担にした金額でも払えないほど業績悪化し減配などすると、上記でも黙って付き合ってくれた株主も総会とかで文句を言ってくるようになるかも知れません。

なんのために上場してるのか?とか言われかねないし最近の潮流と合ってないスタンスなので、方針変更するように証券取引所とかが圧力かけてくるかも知れません。

 

向いてそうな企業

株主とか投資家とかどうでもいい企業。

上場というポーズだけ維持できればいい企業

相ぞ(略

 

DOE

純資産を基準にして配当額を決めるとする方針です。

DOE3%とするなら100億の純資産があるなら会社で3億円。BPS100円なら一株3円の配当を出すということです。

ブレやすい利益を基準とするより、ブレにくい純資産を基準とすることで、配当性向より安定して配当になりがちなので、投資家にも結構好まれ最近流行ってきてる方針です。

DOE/株式資本配当率│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

 

メリット

配当性向比較で、ブレにくい純資産を基準にすることにより減益時や赤字などのときにも大きな減配になりにくく、また大きな増益時にも配当性向ほど増えず安定配当になりやすい。安定的。減益時にも配当は維持される場合もおおく株安に一定の歯止めがかけられる。

わりと流行の最先端なので先進企業アピールできる。

 

デメリット

安定的が悪く出ると厳しいところがある。配当<利益の配当性向100%を超える局面だと、企業に内部留保がまわらず企業は純資産減となりそれをもって配当も減配となる。

業績が低迷局面だと、企業純資産が減り配当も減りそうなると株価も下がり株主としては三重苦になるのが”安定的に”訪れる。

 

向いてそうな企業

ROEが低くない企業。というか長期の平均ROEよりDOEを高く設定すると、多くの年で減配、純資産減となる。なので、設定するなら見込めるROEよりかなり小さくすべきと思われる。そうすると、利益変動も大きくとも純資産は増える中で増配も実現でき株価の安定化にも資するものと思われる。よって、向いているのは利益がわりと変動しがちな中で控えめな配当性向をおける会社。こうすると配当利回りは低くなりがちになるがそれを受け入れられる会社。

利益が安定しているところでも向いてないわけじゃないけど、安定してるなら配当性向と変わらないところはあって、配当性向でいいじゃないかってところはあります。

 

 

長期還元法

勝手にかもめが命名しました。今まで見たことがないので、おそらくかもめの初創出です。

その年に出た利益を何年かに分けて配当する方針です。

例えばある年3億円利益が出てうち1億を5年かけて配当するとした場合、以後5年間に2000万円ずつ配当するイメージです。減配になりそうですが時期が積み重なれば5年間なら5年前の配当も、10年なら10年前の配当も乗ってくるので必ずしも減配にならないと言うか、年による利益変動による配当変動をマイルドにする方針ですね。

発想としては利益が出たときだけの株主だけではなく、大きな利益は長期にもつ株主に還元するとするあるいは赤字などで無配になる責任もその時だけではなく長期に責任分散するという方針ですね。

 

メリット

利益変動による配当変動をマイルドにできる。ある年に大きな利益が出て大幅増配し株高、また利益が戻り減配で株安みたいな状況に一定の歯止めをかけられる。

会社としては直ぐにできる配当をまたせてるので資金繰りに好影響が出るかも知れない。

 

デメリット

投資家側ではすぐに貰える配当を待たせることになる。

大きな利益を出したときの株主にとっては不利益。逆に業績低迷期の株主には有利。

他の方針から移行時には大きな減配を伴う可能性がある。(見込みで配当して差額が出るなら会社が被るとかしてもいいかもしれない)

単年の配当性向とかよりは運用がややこしく説明もめんどう。

 

向いてそうな企業

利益水準が期によって環境によって大きく変わりやすい企業。

利益が安定してるところは単年配当性向でも結果はあまり変わらないかも。

 

現金CF基準

配当は現金で行います。

純利益あたりで決めるにしても、その年固定資産や商品が増えるような利益だった場合現金には余裕ない場合も多いかも知れません。

そこで直に配当をだす余力とみなせる、手持ち現金や現金の稼ぎ(CF)をもって還元を決定するものです。

やってるところないと思ってましたがあるようですね。

 

現金もFCFも考えて還元を決めているようです。

 

メリット

スマートにお金の余裕を持って還元を決めるので、実は手元にお金がなく還元のために借金とか無駄なことをしないで済む。

 

 

デメリット

CFは、FCFにしろ現金にしろ利益や純資産より乱高下しやすくそれは大幅増配や無配減配になりやすく、還元の不安定さに繋がりうる。

CFは利益と乖離することも多く、利益がでてるのに減配とかもなりがちで株主の理解が得にくいかも知れませんし、説明コストもかかるかもしれません。

 

 

向いてそうな企業

現金に余裕があり、FCFが安定している資金繰りが余裕な企業。

 

自社株買い

還元は配当(優待)のみにあらず自社株買いでも行えます。

自社株買い|証券用語解説集|野村證券

 

自社株買いを行うと、発行株式数が減ります。

そうするとEPSが増えて株式価値が向上したと言えますし、株式数が減るので会社としてはその後は配当が同額なら配当支出を減らせますし、配当支出が同額なら増配になります。

還元を配当で行うと増配を続けるのは利益が伸びないと難しいですが、自社株買いで株数を減らすのならば会社が”増益しなくとも”永続的な増配そしてEPS向上が可能です。株数が減れば株式分割で増やし流動性も担保できます。

この特徴特質は特に企業成長を維持するのが困難な場合において有利に働くものと考えるところでお勧めできる企業が多いと考えるところです。

・・・というか実のところ本記事の一番の狙いですね。みんな自社株買いの特性理解して有効活用していこうやってところですね。実際。

 

メリット

多いです。

上記の通り企業成長、利益の伸びがなくても自社株買いを続けることにより企業としては還元のための支出を増やさなくても永続的なEPS増加、増配、そして株高が見込みうる。これだけをもっても配当より自社株買いを優先すべき理由になると思います。

自社株買いは毎年しなくてもいいので、企業はやる時期そしてその分量を選択できる。

株価をみて実施も決定できるのでより効果のある株安時に実行することも可能。

故に極端な還元政策も可能。ある年に時価総額の半分以上を自社株買いにまわし次の年はまったく自社株をしないとかしてもあまり混乱につながらない。これを配当にするなら配当利回り50%以上になった後に無配とかになり株価が大変な乱高下になる。

自社株買いの恩恵はその場ではなく、長期に及ぶ。例えばある年に大幅還元して株数を半分に減らしその後の配当を維持なら、長期永続的に増配の効果を株主はえられるとみなせる。

 

デメリット

上記のとおりに効果が出る構造が配当より難しく理解する難易度が高い。

株主としてはお金がもらえるわけじゃないので効果を感じにくい。EPSが伸びても直接株価があがるわけでもなく、株数現象で増配になってもその増加は微々たるものでその場で自社株買いの分お金をもらった方が大きく感じやすい。

故により詳細な説明をしないと問題になるかもしれない。

 

向いてそうな企業

利益やCFが安定しない企業。

将来増益していけるか不安な企業。

配当から自社株買いに回す事による減配配当利回り低下を株主に説明できる企業。

 

その他

その他もあるんじゃないかな!

メリット

わかんない。(考えてない)

デメリット

わかんない。(考えてない)

向いてそうな企業

わかんない。(考えてない)

 

もちろんこれはどれか選ぶものでもなく組み合わせてもいいと思います

例えば配当性向を15%とした上で、毎期手持ち現金が○○億以上の場合はその5%を自社株買いにあてるとか。

これだと配当性向に現金CF基準でDOEっぽい自社株買いのあわせ技ですね。これは例ですが結構バランスいい方針なのではないかと思います。

あとは還元の原資はやはり企業利益そしてCFです。利益やCFがないのならば還元の実施は難しく、還元をどうする?は結局あるものをどう配ろう?って話で、ないものはどうやっても配れないわけですのでやはりより重要なのは企業利益だしそしてCFです。

 

まあなにか選ぶにしろ、混ぜるにせよ、企業の特性にあったものでそして大幅増配して無配に落ちるとか畑を焼くようなものではなく長期にみながハッピーになれるような方針がもっと広まるといいなと祈念するところです。

以上参考にできるならしてくださいまし。

 

といいつつ・・・

無還元

無還元という方針もあるなと最後に追記。

とはいえ、無還元のそれをまとめると言及しなきゃいけないこと多そうで、1記事にもできそうな気もするので、早足ざっくりと。

利益をまったく還元せず内部留保にする方針もあります。一般的に事業投資にするか負債を返済することを還元より優先するときにこの方針とられます。

 

メリット

還元より投資したほうがいい場合がありそのようなときに。具体的には(長期的にでいいと思うけど)、還元するより事業投資したほうがEPSBPSのより早い向上が見込める場合なら。

あるいは負債を返すのをより優先すべき状況の場合、例えば倒産を避けられるとか。

 

デメリット

株主に還元されない。

怒り出す株主もいるかも知れない。

 

向いてそうな企業

負債返済などに迫られていて還元などしてる場合ではない企業。

投資したほうがROEなどをあげられる見込みがある企業。逆に言うとROEが下がるなら投資か還元したほうがいい場合が多い。

財務や今後の業績の見通しなどに不安があり現金などを手元に置いておいたほうがマシな企業。

ざっくりなのでこのへんで・・

 

 

企業の還元をどう考えますか?

 

 

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