投資ではいろんなアプローチがあります。
その中で、過去こうだったからこうすれば儲かるだろうというアプローチがあります。
メジャーやつですね。
けれどね・・?
投資家はそれを扱うのは気をつけねばならないと思うというか安易には信用しない方がいいと思うんです。
なぜならそれはウランバートルの気温かもしれないからです。
過去にこうだったからこうすれば儲かるだろう
この発想自体はメジャーです。投資でもそうだし、もっというなら投資に限らずいろんなものがこのような発想で考えられてそうです。
過去にこうだったから、未来もこうすれば大丈夫。
もちろん有効な場合も多いでしょう。
もちろん投資でも。
この発想を統計に落とすなら期待値があるというならばはそのままそうでしょう。
これは例えで実際に検証したり統計をとったわけではないものでだからたとえですが、「今期増益計画の225銘柄で9週移動平均線で上向きを確認した際に3週間持った場合過去1000事例でプラスであると確認したときに、これを期待値プラスの条件とする」
(だから話の例えで実際そうかは未確認です)
これは過去そうだったからこれからも儲かるとする発想です。期待値はその最たる発想です。
こういう条件の台でパチンコを打つと数を試行するとプラスになる。
まあそれ自体は否定するものではありません。
有効な場合も多いいでしょう。
しかし有効であった場合もそれをそのまま使うのではなく、なぜ有効であったのかの裏付けを考えてあるべきだと思うのです。
なぜならそれはウランバートルの気温かもしれないからです。
ウランバートルの気温
ちょっと記憶が定かじゃないのですが、たしかタレブの「まぐれ」だったと思います。
ウランバートルの気温というフレーズが頭に残ってて。
で、曖昧でしたが探すとありましたね。転載ですが。
「私たちは因果関係の取り違え・・原因と結果を逆さにとらえてしまったりする誤りを犯す。
たとえば、投資の成功者の共通の特徴は、リスクをとること・・といわれていても、失敗者も、成功者と同様にリスクをとっていたりする・・そしてその結果、失敗してる。
ランダムなデータを並べれば、必ず何かのパターンがある。
西欧世界の取引可能な証券には、価格がモンゴルのウランバートルの気温の変化の100% 相関しているものがあるに違いない。」
あるものに相関するものを探した時・・・過去それを参考に売買すれば儲かったであろうものは必ず見つかります。
なぜならその候補は無限にあるからです。
無限に探せば過去は”偶然”連動していたものがきっとあるはずです。
しかしそれを参考にして売買しても儲かることはありません。なぜなら過去それで儲かったのは偶然だからです。
タレブはその例としてウランバートルの気温を挙げたわけです。
そして自分は、過去にはそうだったかもしれないけど、なぜそうなるか?に対して理解が低いことを指してウランバートルの気温と称するのです。
過去そうであったから今後もそうだ
これは未来に対する態度としてはかなり程度の低いものとなってるかもしれません。
偶然そうだったものを過去そうだったから今後もそうだろうとしているウランバートルの気温かもしれないのです。
それを防ぐために投資家は”なぜ?”に踏み込まなければなりません。
過去はこれはずっとこうだった。それはきっとこういう原因だからだろう。
ならば今後も続くと期待するにせよ。これはチェックしていかないとな。
そんな態度が必要だと思うんです。
実際にそれでかなり悲劇は避けられるはずです。
実際にウランバートルの気温がある個別株銘柄と連動していたとしましょう。
なぜ連動するか?が越えられないはずです。
なぜ?を考える態度をもってることでこれは偶然かもしれないと警戒できるはずなんです。
そして実際にはよりもっとらしいものが気温の変わりになったりします。
政治が悪いから株価が下がってる。
仮想通貨が上がってるから株価が下がってる。
(これらの例は適当ですが)
本当に気温なら偶然を疑いやすいですが一見それっぽいからこそそれは疑いにくいかもしれません。
あるいは過去はそうでもないのに未来はそうであるとしてしまいがちかもしれません。
それはあるいは、過去そうであったから今後もそうであるとするより程度の低いことかもしれません。
過去そうでもなかったことを雰囲気でそうだ。今後はそうだろうとみなしているからです。
投資家はなぜ?に踏み込まなければなりません。
本当にそうだったのかについて考えなければなりません。
あとは少し話がそれますが
上でもいいましたが、それは実際に相関し、過去からそうであり、かなり今後もそのとおりに過去の傾向が続くこともあるでしょう。
期待値を算出しそれが有効的に機能することだって。
しかしそこにも”なぜ?”がありそのなぜがクリアされなくなるならその傾向は変わるはずです。
過去からそうであったはいつか終わる時が来るのです。
故にそれもあり過去こうであったから今後もこうなるとするのはかなり程度の低い姿勢だと思うんです。
250年続いた江戸幕府が滅びるわけが無い
何度も蘇ったラピュタが滅びるわけが無い
江戸幕府は滅び、何度も蘇った?ラピュタは滅んで天に舞い上がりました。ラピュタは創作だが
もちろん江戸幕府ならそこまで続いた理由もありましょう。
自分は歴史学者じゃないのであってるかはわからないけど、江戸幕府は力が強く安定していて、大名たちも秩序を保てて戦争をする理由に乏しかった時代が長く続いたとかの仮説は立てられます。
過去そうだったから、未来もそうだとするだけではなく
”なぜ?”に踏み込むことはできるのです。
それで江戸幕府が力が強く安定していたからと仮説を立てるのなら、幕府の力がどうだ?という視点ももてるはずで、そこで幕府の力が衰えてると観測できるなら・・
250年続いた江戸幕府が滅びるわけが無いではなく、250年幕府は続いたが終わる時が来るかもしれないという立場にも立てたかもしれないのです。
当然その立場は過去そうだったから未来もそうだとする態度より上の態度です。
幕府は滅びたし過去そうであったとしても、それが終わるときがくるからです。
投資家は”なぜ?”に踏み込むべきではないか?
江戸幕府の例えは分かりづらい?
投資でいいますかね。
ナスダック指数は上がり続けてるね。
これは諸説あるけど、なぜ?を求めるなら米国GDPが成長し続けてるとか、ナスダック企業のEPSが伸び続けてるからとかにたどりつけるんじゃないかな?
ならば米国GDPやナスダック企業のEPSくらいはチェック対象にします。
そしてこれらが怪しくなるのなら「これまでこうだったから今後もそうだろう」とは考えないですね。
まあ自分はGDPならここでいうウランバートルの気温である疑いがあると考えてますが。
あと自分なら、日経平均は今後はあがる見込みが高いと判断してます。
これは過去そうだったからではなく、”なぜ?”に踏み込み日経平均が超長期に伸びてるのは日本企業がBPSを上げてるから。バブルからリーマンまで株安したのはBPSを上げられなかったからという仮説をもってますので、BPSはチェックしあげてるからこのままならば株高の方向に向かうだろうという立場ではありますね。
投資家は、過去そうだったから今後もそうなるのでなく、過去に”なぜ?”そうなったか?に踏み込み、それを考えその”なぜ?”の理由となったものを確認することで未来を占うべきではないかと思うというか・・
投資家は”なぜ?”に踏み込むべきではないか?
過去こうだったから未来もこうだなんてそれは程度の低いことなのです。
それはウランバートルの気温なのです。
以上です。
まあその姿勢をもっただけで答えがわかるわけでも間違いを犯さなくなるわけでもないですけどね。
世界にはらしいけど、実はそうでもないってことは溢れてますし、人にいちいち正しいことなんて教えてくれませんし。
世界はいつだって何が正しいかなんてお前で考えろです。
だけどというかだからというか。
投資家はなぜ?に踏み込み続けウランバートルの気温に転ばないようにする努力が必要だと思うわけです。
そしてそれを続けることによって人は少しは賢くなれるし、投資判断精度もちょっとは高くなる。自分はそう思うのです。
投資家はウランバートルの気温に惑わされないために。
”なぜ?”に踏み込む必要があるとは思いませんか?
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