あるときTwitterに退場するとのTweetが流れてきました。
実名を挙げるのは晒し上げのようになり、それは意図するところではないので控えますが、その方は派手な成績を出されてたという記憶の方でした。
それがたぶん2021年末から、2022年初にかけて大半の資産を失ってもう耐えられないと退場するようなTweet。
まあそれが真実かどうかは別ですが、おそらく投資実力者で大きな成果を上げたような方だし、そんな人が日経平均もトピックスもたいして下げない中で大損して退場みたいになる。
これは適者繁栄、そして不適者生存の法則だなと感じる次第。
そのような話。
実は過去にこの記事でちょっと触れてます。今回はここを広げる感じですね。
恐竜という種がいます。
大昔長い間繁栄しました。繁栄っぷりはすごくアルゼンチノサウルスとかは体長45Mに体重90tにまでなったようです。
これは現代だと陸上生物では匹敵する動物はいないようですね。(植物を含めるとあるようだ)
シロナガスクジラは30M近くで100tを超える個体も居るようですが。
その他にも大きな陸上生物はちょろちょろ居たようですがだからそんな大きいものは現代までは生き延びられてませんね。
ただ恐竜はひときわ大きな図体になったものが多い種であることに異論を唱える人は少ないでしょう。小さいものも居たようですけどね。
まあでも恐竜を出したのは例えなので、詳しいことや厳密さは容赦してほしい。
大きくなったけど個体数が少ないのと小さいけどたくさん増えたもののどっちが繁栄で肥え太ったといえるとかもここでは気にしないでください。例えなので。
それで大きな大きな恐竜がなぜそこまで大きく肥え太ったというなら、それは環境に適応したからです。
恐竜は環境に適応してぶくぶく肥え太ったのです。
そして恐竜はもういません。たくさんいた大きな恐竜は皆居なくなりました。
小さな恐竜の子孫かもしれない鳥類はまだ居ますね。
そして恐竜の脇で小さくなってた哺乳類は生き残ってます。
なぜ、環境に適応し肥え太った恐竜が居なくなったかといえば、環境が変わったときにその環境に適応しきれなかったからです。ある意味その前の環境に適応しきってたからこそ新たな環境に適応できず滅んだと言えましょう。
恐竜は環境に適応しすぎて肥え太ったが故にさらなる環境変化に対応できず滅んだのです。
そして環境に適応しすぎることをしなかった故に肥えも太れもしなかったものが生き残るのです。
自分というか、これをタレブは不適者生存の法則として著書「まぐれ」で挙げてますね。
5章だね。
環境に適応することで繁栄し肥え太る。
適者繁栄の法則。
環境に適応しすぎて肥え太ったものはさらなる環境変化のときに生き残るのが困難になりあまり適応しなかったものが生き残る。
不適者生存の法則。
恐竜をみてるとこれらの法則が思い浮かびます。
そして似てると思うんです。
投資家も。
適者繁栄不適者生存の法則
投資家にも実力はあると思うんです。
あるとき綺羅星のごとく大きく稼いだ人が。明らかに発言なども優れてて実力もあると思われたような人が。
いつしかボロボロに負けて居なくなるような。つまり生存できなくなるようなこと。
結構みるのではないでしょうか。
自分は冒頭の方もそのように見えました。
あるときすごく稼ぐ人、傑出したパフォーマンスを出す人は案外それを続けることが難しくあるときはあれよあれよと負けていき気がつけば居なくなったりする。
これはこの適者繁栄、不適者生存の法則で説明できます。
その人は適応したのだと。
きっちり適応し故に肥え太ったのだと。
しかし、環境が変わったことでその適応しすぎたことが仇となり命を縮めてしまったのだ。
肥え太った恐竜と同じ末路です。
そしてこのふたつの法則の中にもうひとつの法則が潜みます。
”適者滅亡の法則”
あまりに適応した者はその最適化故に環境の変化についていけず滅んでしまうのです。
もちろん実力はあると思います。
適応しすぎない程度に対処しながら成果をもぎ取れる。あるいは環境を見定め適応できることも実力と呼べるでしょう。
しかし適応しすぎることは諸刃の剣なのかもしれません。というよりただの自らに向けられた刃ですらあるかもしれません。
傑出した成績を長く続けられる人はほんとに少ないです。
ほんとにほんとに少ないように思えます。
長い間には最適化はしなかった、ほどほどに適応した”不適者”が適者が環境変化ごとに死滅する中で生き続け、生存し続け最終的には大きな成果にたどり着きがちな様に見えたりします。
これは大きなそして厄介な法則です
そして皮肉な。
適応して大きな成果を目指すことが命を縮めることになるかもしれないからです。
高い成果、大きな実績、早い結果。
それを求めることに課されてるジレンマかもしれません。
あるいは、あなたはそのジレンマを克服し適応せんとしながら適応できない肥えも太れもしない多くの者を置き去り適応して肥え太り、そして環境が変わるときがくるなら肥え太っても尚適応してみせ、さらなる高みにも登れる真の天才やもしれません。
そうであることにかけ、あるいはそうであらんとして全力で適応することを目指すのも一興かもしれません。
しかしきっと多くの人にとっては、”不適者”が最適解になることが多いというか”不適者”が幸せに近いと思うところです。
これは皮肉です。適応せんとする手を緩め手を抜けと言ってるのと同義ですので。
これは皮肉です。実力者にとってはより皮肉です。もっと適応すれば・・・こうすればもっと上のパフォーマンスが出る。もっと儲かる!を抑えて手を抜けと言ってるのと同義です。
皮肉です。全力で走るなと言ってるのですから。
しかし全力で走るなら。適者になり肥え太るほどそのジレンマといずれ対峙することになります。
ある環境で成果をだすほど、変化したあらたな環境においては負債になる。
それは実力者すら即時殺すほどの負債にもなりえる。
それすら克服する天才足らんとするのか?
このジレンマにあなたはどう答えを出す?
え?適応できません。儲けられません。
知らんがな。というより自分も教えて下さい。適応が足りず最近渋めです。
”不適”が過ぎる人は適応する努力も必要ですね。自分もですね。難しいもんですね。
で、実はこのことは別の言葉で言われてもいます。
”ゆっくりお金持ちになろう”
バフェットさんいわくそう思う人は居ないようですが。
それは自分もそうです。
自分も早くお金持ちになれるほうがいい。
高パフォーマンスを出したい。大儲けをしたい。適応したい。
しかし自分は知っています。
適者は繁栄しそして滅亡する。その脇で不適者は生存する。
そして長く生き抜く不適者の方が大きな成果に辿り着きがちでもある。
故に自分は適応しようとするもほどほどに。”不適者”でいる努力も必要だと思うしそれもしてるわけです。
例えばブログに”大河”とかつけたりね。
大河。流れゆっくりでしょ?
適者は繁栄し不適者は生存する。
適者と不適者のジレンマの中でどこを目指しますか?