僕はPERを信じられないのです。
上みたいな記事があったります。
その意図はPERは他の投資家が決定するものであり、他の投資家が自分の都合のいいように動いてくれるとは思えないし、また他の投資家さんは馬鹿には見えないし、それより他人を馬鹿だとか見下す行為は古今東西のしくじり要因のトップにもなるんじゃないかというものなのでできればそれに与したくないという思いもあり。
そんな中での最近傾向になってる銘柄選びの基準の話。
自分はPERというか割安が信じられないのです。
PERというか割安でも適正でも。
でもこれはそれらの否定じゃないんです。
PERを使わないとか割安なんてないとか言ってるわけではないです。(まあ自分は割安に関してはあまり信用しなくなってきてはいますが)
自分にも割安もこの辺だろうなという適性というか妥当と思えるPERはあるし、そう思うところを投資判断に用います。
自分はそれを安いと思う。
それはある。けどそれはあくまで自分の中での話です。
自分のいう安いも割安もそのものがとか市場がみなすとかいう話ではなく、
あくまで自分がそれは安いと思うけどなあ以上でも以下でもないものです。
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自分が信じられないのは、他人・・というか他の投資家の行動です。
他の投資家が自分が割安だって思ったものを、同じく割安とするのかに関してならあまり信用できないし、譲って割安だと思っていたとしてもほいほいPERをあげて適正、割高なところまで持っていくような自分に都合のいい行動をしてくれることはほとんど自信がないのです。というよりそのように都合のいいことを他人がしてくれることを期待すべきでないという考えですね。
他人は馬鹿なわけじゃない。ちゃんとした理由があってそれはその株価にされている。
最近はみたいな感じに思うようになってます。
そういう考えの自分ですが、
じゃあ何を信じるのか?ということを踏まえての銘柄選定の話ですね。
その視点を進めると以下のことが言えるわけです。
高成長企業に対する投資はタイミングを選ばない。
複利というものがあるんですよ。
それを踏まえると高成長率はかなりタイミングの間違いを補ってしまうわけです。
72の法則ってあります。
「金融商品に投資する際に、金利の複利効果により元本を2倍にする場合の投資期間を概算で求めるための法則のこと。
計算式:72÷金利(%)=投資期間(年数)」
ってことですけど、これは複利計算を暗算で簡単にできるようになるので覚えて欲しいのですけど・・・
成長率7%だと倍になるのにおよそ10年です。
これに対し成長率36%だと倍になるのに2年です。
これを言い換えるとPERを他の投資家共に半分にされた時
EPS成長7%だとそれを取り返すのに10年かかるけど、
EPS成長36%だとそれを取り返すのに2年で済む。
もっというと・・
低成長でタイミングを間違えると取り返すのに長い月日もかかるけど
高成長ならタイミングを誤ってもより短い期間でカバーできる。
グロースはタイミングを問わない。
そうと言えるわけです。
とは言ってもだからラクだとは全く言ってません
神戸物産みようか。
ここ10年で複利EPS成長率30%くらい出てる名実ともにグロースだと思うよ?
その神戸物産は2015年から、77%くらいのドローダウンしてる。
だから株価5分の1だって。
この間PERは45ほどから7ほどまで落ちてるようです。
およそ6分の1。
これはタイミングで他の投資家にやられた傷といえます。
でも、取り返した。2018年末で。三年ちょいだね。
その後は取り返した上でさらに伸びることになったね。
そんなことが起こり得たのは神戸物産が度を越したスーパーグロースだからです。
普通はPERで6分の1にまで落とされるとその後EPSがかなりのペースで増えようとこんな短期間に取り返したりできたりしません。
と、このようにグロースはタイミングの失敗をかなり帳消しにするのです。
一方バリューというか割安はタイミングを選ぶといえます。
これは割安な時を狙うと言う文脈では至極当然の話だと思いますが、タイミングという言葉に嫌悪感がある人は考え直すことを勧めるよ。
ざっくりだけど・・自分は以下の結論を得てます。
グロースはタイミングを問わない
バリューはタイミングを問うです。
これは比較の話だと思ってください。
まあタイミングが測れればよりいいですね。
測れるなら、神戸物産の395から1733までは・・・2016年2月の底値で買えれば2018年末の時点でおよそ5倍ですね。
グロースでタイミングも測れるならパフォーマンスは突き抜けますね。
ただタイミングを測るという意味なら、運に頼るのでなければ他の投資家共を出しぬく必要があるという意味になりますけどね。
あなたには他の投資家は馬鹿に見えますか?
古今東西のしくじり要因である他人を見下し舐めるという行為を犯してなお、それを覆す結果を狙ってみます?
それに挑戦することは自由です。
でも自分は難しさを感じているわけです
タイミングを測ることの難しさ。
と、戻るんですけどね。
タイミングを測る即ち他より賢く立ち回ること。
難しく思うんです。
だから皆さんみんな頭良さそうで馬鹿には見えないし、他人を馬鹿にするのは古今東西のしくじりの理由に思えるからです。
じゃあどうするか?
って考えた時の最近の自分の銘柄選びのトレンドは以下ですね。
他の投資家に殴られてもそれをカバーする価値の向上があるか?を判断の軸にする。
だから72の法則を思い出しましょうね。
EPS成長7.2%の時PERで半分に殴られた時10年で取り返せる。
EPS成長18%の時PERで半分に殴られた時4年で取り返せる。
EPS成長36%の時PERで半分に殴られた時2年で取り返せる。
そのことを踏まえての選択をしようというマイトレンドですね。
そういうと成長率高い方がいいじゃんって思う人は多そうだよね。
だからこれは決して甘いことは言ってません。
だいたい成長率が高いと思われるものほど、高いPERがついていて、より他の投資家に殴られる余地が残ります。
現に神戸物産ならだいたい株価5分の1になるまで殴られることになった。
成長を見誤らなかった人もそれだけ殴られた。
タイミングを誤ればそれくらいは殴られることになる。
成長を見誤ればどれだけ殴られるだろうね?
しかし高い成長率があるのなら、殴られてもわりと短期にカバーされることになります。
と、言ってるだけです。
できるかわからないですが、この発想ができるなら自分は神戸物産は5分の1のドローダウンは耐えることになるでしょう。だから高い成長率を信じられるならね。高い成長率はかなり早くタイミングの誤りを帳消しにしてくれることを理解したんだから。
そしてこれは他の投資家から殴られても構わないとする宣言なのです。
殴らせてやる。その中で企業と歩むという決断なのです。
そういうトレンド。
実はこの発想で自分は一つ成功しています。
3923/ラクスです。
自分は2018年にラクスを買ったのですが、当時からPER90ほどで極めて他の投資家に殴られる余地を大きく残していると承知つまりは高いとしながら、ラクスが年30%程度以上成長すると信じて、PER半分にしたければしろ2年ちょい待てばきっとラクスが取り返してくれるって発想で買いました。
それから2年と半年ほど経とうとしてますがそこからは株価で4倍ほどで、PERも下がることはなく自分は他の投資家に殴られることもなく会社は期待以上の成果を出してくれましたが、一見尋常じゃない高PERも許容してそれを買った・・・これは文字通りPERの下落で株価半分あるいはそれ以上もありえるとして買って、なぜそれを許容したか?といえば、高成長率の複利効果の高さを知っていたのとそれを成すとその企業を信じたからです。
自分の狙いはどこまでも企業成長でありプラスサムの獲得でした。
でもそうするしかないわけで。
いやだってゼロサムゲームで勝てる自信もないしね。というよりもっと自分がゼロサムゲームで勝てると他の参加者を馬鹿にする態度をとるべきではないって考えてるからね。
そういうトレンドです
まあこれは低成長に手を出さないという話でもないし、高成長ならなんでもいいって話でもないです。
低成長でもこれは、ほんとにすごく安い・・これはさすがに殴られないでしょ?って感じたら買いますし、さすがにこんなに高PERは高成長でも許容できないわとか、そんなに成長するとは信じられないよなら高PERは無理だし、殴られる可能性を認めつつたくさん買うのは勇気はいるし、また賢明でもないと思ってます。それは含み損になるという以上に下がったそれをあまり買えなくなる機会損失を生みますから。まあどこかで基準を持って区切る必要はあるでしょうね。
バリューはより慎重にタイミングを選び・・
グロースは高成長を信じられるなら、他の投資家に殴られる覚悟で、あるいは殴られたとしても取り返せる成長があるのかを考えつつ企業の成長にリスクをとる。
これはそのようなスタンスで企業を選ぶマイトレンドなのです。
グロースはタイミングを選びません。
だとするならそれは何を選びますか?
そしてあなたは何を選んでいきますか?