大河の一滴

大河の一滴

まったり一滴を注ぎ続け大河になる大河をつくることを目指す投資ブログ

MENU

簿外資産の可視化のあれこれ

スポンサーリンク
f:id:kamomenotoushi:20210118221343j:plain
一部のファンダメンタル投資家の中のムーブなんだと思いますが

特に上級者さんね。

一部の企業にあると思われる。簿外の無形資産。

 

それをBS・・貸借対照表に組み入れたいね。みたいなムーブがあるんです。

それについて自分が思うことをつらつらまとめる話。

 

かなり余談な話かなあと思うところですが、まあ企業の資産やら価値やらを考える際に参考になるかもしれないしならないかもしれないとりとめものないあれこれの話。

 

簿外資産と言われても。

・・わからない人にはほんとピンとこないところだと思いますが、

たとえばコカコーラは世界中で売れるし、ルイヴィトンはその商品にかけてるコストのわりに高額で商品を売ることができるし・・

これならそれはブランドというものでこれはおそらく値がつくべき資産なんだって考える向きがあります。

実際にルイヴィトンが買収されるなら、そのブランド価値には値がつくでしょう。つまりきっとブランドはこれくらいの価値があるよね?って算定されてその分買収価格が上がるはずです。

このようなブランドと言うか無形資産というかそういうものはかなり広範な範囲の会社で持ってるということにはなりそうです。

それが、買収などされると、買収した側にのれんとして乗ったりするのですが・・・

 

例えばで極端な例だと、手間いらず。

手間いらずの帳簿にはあまり資産というべき資産が載っていません。

手間いらずの2020年6月決算時の貸借対照表では総資産42億8700万円のうち39億7000万が現金ってところで、固定資産もろもろたしたって6800万ほどしかなく、それがどれだけの利益を出してるかというと、営業利益16億ほどでわりとマジで無からお金湧き出てるじゃん。そんな話があるもんか。だからこれは帳簿に記載されてないたとえばテマイラズとかのソフトウェアかブランドがあってそれが稼いでいる。それは貸借対照表に書こうぜってことですね。

 

要するに企業が稼ぐ力というかそれを有する諸々・・・でも貸借対照表には載ってないそれを数値化して貸借対照表に入れようぜ。

みたいな話となりそうです。

 

さらに視点を変えてみましょう

なぜそのようなことを考える望む人がいるか?

まあ、自分はこの話の強い推進者ではないのであってるかは分かりませんが・・・

 

つまり企業の優劣を数値化し、一枚の表に表したい。

 

そいういことかな?って思うところです。

それができるなら、その一枚だけ見れば企業の優劣はかなり測れるし、もっと言えばそれと株価を見れば投資して有利かどうかはもっとスマートに判断できるはずです。

 

あとは、そうなると損益計算書も絡めて、こういう資産を持ってるのがこれだけ稼ぎました。って世界が完成しますね。

現状・・・損益計算書を見て利益を稼でいるね。けど貸借対照表を見てもなんで稼いでいるのかわからないものが結構あります。だから手間いらずとかだね。

トヨタとか日本製鉄なら工場や製鉄所がこれだけあってこれだけ稼いでいるんだねってわかるけど、手間いらずはまるでわからないわけです。というかわりと無から利益が出てる。そんなことあるわけあるかって話です。

 

実際ないわけです。

もし手間いらずが買収されたらまず、その総資産43億でも現金39億でも、もっと上の金額になるはずです。この記事時で時価総額は350億ほどなので買収などしようものなら500億とかかるかもしれません。

そしたら自分は細かい帳簿の書き方は知らないからあってるかはわからないけど、おそらく買収した側はのれん440億とかBSに書くんでしょうね。

 

はい、それがある意味簿外資産です。

 

それが正しいものか?という視点は置いといて買収などされると簿外資産というべきものはのれんとして可視化されるわけですね。

 

それだ!あるじゃん簿外資産。無から利益が生まれるなんてあるか!そののれんが簿外資産だ。そののれん360億が利益を稼いでいたんだよ。

ならば買収される前からというより基本的に書こうておこうぜその資産。

 

って話なんだと思います。

はい、自分も話としては分かります。

 

という話だと思うところですが。

 

自分の立場をここで明らかにしておきましょう。

自分はこの貸借対照表に簿外の資産も算定し書こうぜムーブは・・

 

どちらかといえば否の立場です。

 

理由は理念的な理由と実務的な理由でですね。

 

理念的な話。

買収された時だけ可視化される歪をなくしたい。

そして全ての企業の優劣を貸借に。

あるいはこういう資産があってこれだけ稼げてる。

一見無っぽいものが明らかになる。

そんなものなどがもっとわかる世界。

 

わかるんです。いいなとも思うんですけど、一方今の貸借対照表もある意味完成された世界があると言えます。

 

どれだけお金をかけてどれだけ資産が積まれているか。

 

今の世界もお金という視点では完成されてます。

買収された時だけ可視化されるのは歪でもないんです。

だってその資産構築にはお金かけてないというか資産積まれてない。のれんはお金をかけたから書かれる資産になったんです。

今の貸借もどれだけお金かけたかと、お金をかけて用意された資産が見えるというという視点では完成されてます。

 

まあ、人件費あたりの費用の一部をブランドに変えたとかの処理すればブランドあたりは積み上がるなんてことは可能かもしれませんが、たとえば日本郵政の従業員の働きはブランド構築にはならなく、手間いらずのそれはそうなるってのはどういう基準でどういう処理すれば?っていう問題もあるし・・これは実務的な話なのですが・・同時に随分残酷な話でもあります。

日本郵政あたりは従業員が働いてマイナスのブランドを作ってるなんて処理になるとするならなかなかシュールでそして残酷だと思いません?

 

もう一つは実務的な話

理由は優劣が判断できなくなるから。
少ないお金でお金に効率的に稼いだという基準に例えばなんでもいいけど、お金以外の物差しが入ることによって、それまでの判断基準が揺らぐことは好ましくないかもしれないと感じてます。

 

お金という視点でのみ構築されている財務諸表にお金以外の価値基準をぶち込むと、とりあえず価値基準の多様化を招き優劣の判断が困難になるのではないか。

 

言ってることは、わからないかもで、例えばなら手間いらずのテマイラズは社員が頑張ったからあまりお金かけてないけどこれはブランド資産ね。で、それで特別利益ね。

とかやるともうなにがなにやら。

実際にお金はかけてないのに、また売って儲かる予定でもないのに色々動くのはわかりにくい・・例えばその会社は少ないお金で効率的に稼いだか否か?などならかなりわかりにくくなる。

恣意的になる気もするし自分はかなり面倒なことがおこるのではないか?とかは思うところです。

あとは、それをやろうとして考えていくとかなり歪かなあっておもったりもするんです。

手間いらずにそれをしたとしましょう。何らかの無形資産を算出しそれを貸借に書いてみる。

 

でもそうしたところで現実はあまり変わらないと思うんです。

 

手間いらずは今の利益や成長性に期待が乗るからこそ、今の株価、時価総額が肯定されている様に思えます。

算出して例えばブランドとかで貸借に書いてみる。でも手間いらずが成長しなくなるなら利益が減るなら。

構わずその株価時価総額は下がると思うんです。こういうブランドがあるから今までの株価時価総額でいいなんて思う人はいないと思うんです。

 

なにが言いたいかというと簿外の無形資産というか、その時価総額が実際にBSに書かれている資産より遥かに大きくなること、あるいは無から利益を出してるようにも見えること。そのようなものはもし利益が減るなら成長率が落ちるなら容赦なく株安に見舞われることになる。

 

その無形資産はPLで既に規定されてると思うんです。

ある意味既に書かれてる。PLに。

 

それでも例えば無理にBSに時価総額から純資産分引いてのれんでもブランドでも書いてみることはできるかもだけどそれもあまり意味ないですよね。

そうすれば売り飛ばせばそこそこ安定した値段もつく土地や建物と一緒に並ぶことにはなりますが、有形と比較して減損あるいは増益(いま対義語しらべたらこれのようだ)祭りでかなり乱高下することになると思うんですよね。

だからPLによって規定されちゃうからね。PLが変われば減損増益まつりになる。それは見にくいと思うんですよね。

 

で、もっと思考実験をすすめると・・

マイナスの簿外資産なんて概念も作れます。例えば日本郵政あたりはマイナスの簿外資産があり、みたほど財産はない。みたいに調整も可能です。

そういう発想の先にすべての会社の資産は調整できてしまいます。

 

手間いらずは見えない資産がありそれをBSに書けば実際のROEは7%である。

日本郵政は見えないマイナス資産がありそれをBSに書けば実際のROEは7%である。

というか簿外資産を調整してBSに書き込むならすべての会社のROEは7%である。

 

・・・なんてこともできてしまうわけです。

・・でも。

そんなことは自分には後退に思えるんです。

自分は簿外資産を書いてROEを均すとかよりは、これはとてもROEが低い。あまり資産を有効に使えてないね。でも、これはROEが高い。あるいは無から利益が出ているともみなせる。故に利益がこの無の価値を規定している。

・・・みたいにその違い優劣も判別でき、それに対する注意対策も今のままでも十分たてられると思うし、それが見えてしまうとかえっていろいろやりにくくなるような気がしてるんです。


もちろん全ての優劣を数字化するという理想もわかるけど。

その点はお金以外の優劣は簿外で勝負させたらいいのではないか?という立場をとりあえず。

 

 それはみえなくてもいい。

見えないがゆえにそれはいろいろな会社の優劣を一つの基準で描き出し、それをみて比較判断できると思うところです。

 

まあ。

これはあくまでFPかもめはそう思ってるよ以上のものでもなく。

より素晴らしい会社の表現のしかたはあるのではないかと思いまし、もちろんそれを模索していくことも進歩の種なのかな?とも思うので他の皆様がそういうカタチを模索することを止めるだなんて野暮なことはいたしません。

 

というより賛否も含めていろいろ考えることが。

それが”否”よりであっても、いろいろ混じってよりよきものになる。

そうじゃないかなあと思うところなのでとりとめものないあれこれの話をしてみたという話でした。というか記事ネタになったから記事にしたんだけど。

 

 

簿外無形資産の可視化。

どう考えますか?

 

記事を気に入ってくださった方は↓をクリックしてくれると嬉しいです。
 にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ