経費はざっくり原価と販管費に分けられます。
何が何かは?わりと会社で違ったりもするんですが、とりあえず基本としては・・
営業利益(=売上高-売上原価-販管費)
になります。
以下なんてわかりやすいと思います。
利益を上げていくには売上を上げる以外にもコストをさげるのもありますが、このときに何のコストが下がった?とより細かく見ていくことで見えてくるものもないか?と思って作ったスクリーニングです。
例えば、原価率が下がってるけど販管費率は上がって利益は一緒。みたいななものがあればそれは効率化を進めてより低いコストで商品を提供できるようになった分宣伝などにコストをかけてるような状態で売上が伸び宣伝があまり必要にならなくなった時大きく利益が伸びるとかあるかもしれません。
そのようにもうちょっと細かく利益を見ること変化をより早く察知することを目指すスクリーニングです。
四季報CDの仕様上、原価と販管費は3年間の実績しかなくそれを用いるしかなく過去2年の変化を測るものとなってます。
また性質上、なんで原価や販管費が下がってるか?を調べたり、バリュエーションなどを考えるなどより精査し考えていくことは必須のものと思われます。
ちょっと手間ですが、大きな変化をしてくる前の銘柄を早く発見できるなら面白そうですよね。
結果は以下でした。
過去2年平均売上原価率変化率上位30銘柄。
(計算エラーなものと販管費率100%以上のものは排除)
2020年6月4抽出。
コード | 社名 |
過去2年 平均売上原価率 変化率 |
過去3期 平均 原価率(%) |
過去3期 平均販 管費率(%) |
---|---|---|---|---|
5304 | SECカーボン | 67.9 | 76.8 | 12.4 |
2338 | ビットワンG | 68.1 | 50.2 | 83.9 |
8918 | ランド | 70 | 53.8 | 18 |
8836 | RISE | 74 | 65.4 | 89.7 |
3900 | クラウドワーク | 77.2 | 82.9 | 24.2 |
2497 | ユナイテッド | 77.4 | 60.2 | 19.4 |
2480 | システムロケ | 78.9 | 24.7 | 45.5 |
3010 | 価値開発 | 79.4 | 16.4 | 88.1 |
3775 | ガイアックス | 81.7 | 52 | 55.9 |
4507 | 塩野義製薬 | 81.9 | 19.8 | 45.7 |
7544 | スリーエフ | 82.1 | 25 | 87.2 |
2588 | PウォータH | 82.2 | 18.7 | 83 |
4475 | HENNGE | 82.3 | 22 | 71.5 |
6071 | IBJ | 82.8 | 33.8 | 51.7 |
3926 | オープンドア | 82.9 | 15 | 52.8 |
4650 | SDエンター | 83.1 | 20.3 | 79.7 |
3086 | Jフロントリテ | 83.9 | 62.4 | 29.7 |
8462 | フューチャVC | 84.3 | 115.9 | 55.5 |
3907 | シリコンS | 84.4 | 81.8 | 29.9 |
3726 | フォーシーズH | 84.6 | 26.8 | 75.2 |
4151 | 協和キリン | 85 | 32.3 | 50.4 |
8572 | アコム | 85.3 | 5.7 | 86.7 |
2323 | fonfun | 85.3 | 40.9 | 62 |
2175 | エスエムエス | 85.6 | 14.6 | 69.9 |
5302 | 日本カーボン | 85.8 | 62.3 | 12.3 |
8028 | ファミリマート | 85.8 | 35.1 | 62.7 |
1757 | クレアHLD | 86.3 | 85.1 | 48.6 |
2492 | インフォマート | 86.6 | 31.3 | 40 |
2160 | GNIグループ | 87 | 16.6 | 71.9 |
6176 | ブランジスタ | 87.2 | 31.9 | 62.1 |
販管費が極端に低かったり動いたりするものはバイオ製薬とか極端な事業をしているものが多く、原価率と販管費率同時に見ていく必要はありそうです。また業種特性なども踏まえてみたほうが良さそうですね。
例えば原価率が低くし難い小売で原価率を下げてるとか数字が低いとかは何か特別な理由や工夫があるかもしれません。
上の表からは例えばスリーエフなどローソンなどと比較もすると原価率を減らしてきてるけど原価率の水準も低いだろうとみれます。一方販管費が高く実際にスリーエフの数字をみると原価率を減らして黒字に転換してきてるのがわかります。販管費も下がってきてるので今後は利益も安定的に出てくるかもしれない?・・などとか考えられるかもしれません。
やはりスクリーニングだけでは見え難く気になるものをより詳しく見るというわりと中級者以上向けのスクリーニングかもしれません。
実際に四季報CDで以下の式が使えます。
今回の式
過去2年平均売上原価率販管費率変化率(連結)
「【」は「(」に置き換えて使用してください。
過去2年平均売上原価率変化率(連結のみ:連・を外すと単独決算用になります)
【【[連・売上原価【-1)]/[連・売上高【-1)])/【[連・売上原価【-2)]/[連・売上高【-2)])+【[連・売上原価【-2)]/[連・売上高【-2)])/【[連・売上原価【-3)]/[連・売上高【-3)]))/2*100
過去2年平均売上販管費率変化率(連結のみ:連・を外すと単独決算用になります)
【【[連・販売費・一般管理費【-1)]/[連・売上高【-1)])/【[連・販売費・一般管理費【-2)]/[連・売上高【-2)])+【[連・販売費・一般管理費【-2)]/[連・売上高【-2)])/【[連・販売費・一般管理費【-3)]/[連・売上高【-3)]))/2*100
以下は任意設定の比較用さらには3期の平均原価率や販管費率とか業種あたりも項目にいれると便利かもですね。
一期前売上原価率:[連・売上原価(-1)]/[連・売上高(-1)]
二期前売上原価率:[連・売上原価(-2)]/[連・売上高(-2)]
三期前売上原価率:[連・売上原価(-3)]/[連・売上高(-3)]
一期前売上販管費率:[連・販売費・一般管理費(-1)]/[連・売上高(-1)]
二期前売上販管費率:[連・販売費・一般管理費(-2)]/[連・売上高(-2)]
三期前売上販管費率:[連・販売費・一般管理費(-3)]/[連・売上高(-3)]