投資資金の大小はよく触れられるのではないでしょうか?
ある人は投資資金が多い人は有利だとか。
ある人は投資資金が少ない方がパフォーマンス出るぞとか。
特に意見などない人はいったいどっちなんだ?とか迷いそうですが、自分がその中で感じてること考えてることなどまとめてみるという話。
(どちらかといえば流動性に苦しみ資金が大きくなると大変って人よりは資金が足りないので不利だと言ってる人に対してそうかな?と考えていった末にできた記事ですね。 )
投資資金はあるのとないのとどっちが有利なのでしょうか?
この質問も視点がふたつありそうです。
絶対額と比率です。
これが絶対額だとするなら答えは明白でしょう。
額面年間100万稼ぎたいとするとき、100万円の投資資金と10億円の投資資金がどっちが有利か?
そんなの10億円に決まってる。
100万だとそれを一年に100%増やすつまり倍にしないといけませんが、10億円なら100万は0.1%です。0.1%なら今見たら東京スター銀行の普通預金がそれだったので東京スター銀行に預けていれば重大な事故でも起こらない限りまず元本も保全されつつ100万稼げます。
配当とかのリスク資産なら話は違うだろ?みたいな事は言えますが、これだって年に100%増やす難易度と0.1%増やす難易度は全然違います。株式なら100万はおよそ100%上昇しないといけないけど、10億なら配当利回り2%のものを選べば、1.9%株価下落しても目標達成です。これが同じ難易度のはずがないでしょう。
故に投資成績を絶対額で測る際は投資資金が大きいほうが有利です。
あまりに当たり前過ぎて考える価値もないほどです。
故に今回のテーマで考えるのは後者・・・
つまり比率です。
投資資金の大小で投資成績でより高い比率(パフォーマンス)を出すのに有利不利が生まれるだろうか?
今回のテーマは端的にこれです。
つまり例えば投資資金を年間に1.5倍に増やすとしてそれは投資資金が大きいのがより容易いか小さいのがより容易いか?
さてこれどっちなのでしょうか?
まずは自分の経験からするととりあえずこれは資金の大きいほうが不利な点がありそうだです。
それは端的に流動性です。
自分はある程度持ってるということになりそうで、それは統計とかみるとそうなりますので。
そうなんですが銘柄にもよりますが、500万以上くらいだと欲しい銘柄を満足に買えないということが多くなります。買えないこともないけどストップ高にして買うなど著しい不利を受け入れる羽目になります。
保有期間が長期を見込む場合は時間をかけて補うことはできるけど、銘柄にもよりますが500万くらい以上を買おうと思うと思う通りに買えなくなります。そして資金量多くなるほど選択肢が狭まると考えて良いでしょう。
つまり資金量が大きくなるとだんだん選択肢が狭くなってくる。あるいは長い時間をかけて集めてさらに長い時間をかけて変化を待つみたいなやり方しかできなくなるものが多くなる。
なのでまずは流動性の点で資金が多いことは不利だろうとは言えます。
また同時に投資資金が増えることで有利になる部分として銘柄選択に選択肢が増えるというところがありそうです。
例えば資金100万だと単元600万円程度のファーストリテイリングは基本的には買えないけど(瞬時性や手数料のメリットを放棄してミニ株とかの手段もあるはあるけど)、資金10億ならポートフォリオの10%程度をファーストリテイリングにしようという選択もできるし、ファーストリテイリングとこれまた単元単価が大きい任天堂を同時にポートフォリオに入れることも可能になります。資金が小さいとファーストリテイリングを持つことすら難しいですが資金量があるなら持てるし比率も自由に選べるしまた他と組み合わせてポートフォリオ全体のリスクコントロールが可能になります。
この部分では投資資金が大きいことは有利に働きますね。
ただ5000万から1億くらいになるとそれ以上増えてもこの視点ではあまりメリットが増えなさそうです。
これらは感じます。
・・・しかしはこの他はどうだろう?
というのが自分の実感なんですよね。
まあここでは挙げてないけど、器みたいな話はあるかもね。
一万円の判断なら心が揺れないけど百万、一億になると心が揺れて冷静な判断ができなくなるみたいな。
でもここではその視点は曖昧さが大きいとかんじるところで今回はスルーです。
と、なると・・
他に投資資金が大小が生み出す有利不利ってあるんでしょうか?
それってないような気がします。いや、今の所それは自分の感覚の中での話なんですけどね。
とはいえ事実として、少額資金の人が投資で大きく伸ばしてくるというのは大きな資金を持ってる人に比べより多いとは言えます。あるいは大きな資産を作った人も過去のほうがパフォーマンスに優れてるというのもよく見る気がします。
しかしこれは少額資金が投資に有利であるということを示してないと考えているんです。
以下は5ちゃんにあるトレードアイランド(投資成績が口座に連動し集計されるコミュニティサイト)にある2017年10月(トピックスが大きく上がった月)の全体及び投資資金別集計からの抜粋です。
全体
総数: 6528
勝ち数: 3204
負け数: 3324
勝率: 49.08% (平均:141,029円)
総勝ち金額: 2,095,441,446
総負け金額: -1,174,801,171
株のみトレード
総数: 1301
勝ち数: 897
負け数: 404
勝率: 68.95% (平均:495,035円)
総勝ち金額: 786,332,273
総負け金額: -142,292,136
100万未満 -14.461% 48.869 1913(-8.714%) 2304(-17.673%) 2319(-16.909%)
総数: 2337
勝ち数: 806
負け数: 1526
勝率: 34.56% (平均:-31,360円)
総勝ち金額: 47,217,902
総負け金額: -120,349,500
当初資産合計: 749,832,720
株: 16192回 6,270,917千円 00836.309%
先OP: 2392回 6,182,082千円 00824.461%
FX: 252122回 837,788,965千円 111730.116%
FXOP: 96892回 806,114千円 00107.506%
365: 293回 346,911千円 00046.265%
CFD: 12991回 9,118,803千円 01216.112%
5000万以上10000万未満 2.856% 8.373 38(3.375%) 50(2.463%) 51(2.839%)
総数: 53
勝ち数: 37
負け数: 16
勝率: 69.81% (平均:1,866,404円)
総勝ち金額: 171,231,848
総負け金額: -72,312,426
当初資産合計: 3,609,946,721
株: 25083回 42,742,837千円 01184.030%
先OP: 1150回 34,230,439千円 00948.226%
FX: 10594回 1,050,484,881千円 29099.734%
FXOP: 1702回 100,911千円 00002.795%
365: 22回 125,600千円 00003.479%
CFD: 877回 4,279,187千円 00118.539%
ちょっと株のあとのお金と%の見方がわからないところがありますし、株以外も合わせてトータルとか少額資金はFXの比率が高いとかなかなか比較は難しいですが、わりと他の月の推移も見てますと少額資金になるとより勝率も悪くまた多くの月で通算で資金量多いグループがプラスなのに対しマイナスになってる傾向も強いです。
データからはFXが不利とか、上手い人が増やす結果資金増やしているグループは上手い人が多く数字が出てるとか、要因らしき仮説は他にも思いつきますが、基本的には少額資金の投資成績は大きいものに比べて芳しくないが事実ですね。
ちなみに資金量多い人が有利という風に言う人は多そうですが、おそらくこういうことを見てそう考えるのではないか?とは思ってます。
話が少しずれましたがこれまでの話をまとめると以下の事が言えると思うんです。
投資資金が小さいグループは全体としては投資成績が悪いと同時に、投資成績が際立つ例も多く生まれている。
全体としてはより劣悪だけど大きく伸ばす人も多くなる。
自分はこの特徴が出やすいことに思い当たるものがあります。
リスクを大きく取ったときです。
自分がこれらから読み取れると感じることは、少額資金のグループは資金の大きいグループに比べリスクを大きく取る傾向が強いです。
全体としては悪いけど時々すごくいいケースも出てくる。
これはリスクを大きく取ったときに出る結果だと思うんです。
下手ばっかの中時々凄腕がいるでもいいけどさ。
となると、大きな資産のひとの投資成績傾向が説明できなくなりそうだけど。
逆に投資資金が大きい人は逆じゃないですかね。リスクを抑えて大きく伸ばすより大きく負けることを避けてきてる結果全体として優秀な成績となっている。
だからこうなのではないでしょうか?
リスクをより取ると全体としては成績は悪く(難しく)なるけどうまくいったときすごくいい成績が望め
リスクをあまり取らないとあまり傑出したパフォーマンスは望めないけど総体としては良好な成績が望みやすい。
その中で投資資金が小さい人ほど大きなリスクを取りがちになっている。
あとは憶測なんですけどね。
裏付けられそうなデータもないし。
ただ自分の実感に沿うものではあります。
資金大きくなると大きなリスクをとり難いのです。
だって大きな損をすると取り返し難いですもの。
例えば自分はサンバイオを買ってました。自分はサンバイオを倍以上もあり得るけど半分以下もあり得ると評価していました。
そして実際に自分の買値から倍ほどになりそして結局買値の半分になりました。
サンバイオなら自分が集中するに足る流動性は十分にありましたので自分がこれに集中する選択肢はありました。集中してれば大きく増やしたはいいものその後あっという間に最初から半分ですね。到底他の収入から入金してカバーできないような損が残ったはずです。あるいは途中で日和って倍とかで抜けてたかもしれませんが。
集中しようと思えばできました。でもやりませんでした。だから悪い目を引いて復活し難いダメージを負う可能性があることは受け入れられないとしたからです。
そこらで考えたことなんかは以下でより詳しく
他にも自分は2018年9月ころワークマンをいいなと考えてました。可能性はあると思ってましたし、なので高いと思いつつ自分の参加するコミュニティの有望銘柄として挙げました。同時に高いとも思ってたので展開次第では半分程度もあるかなとも考えてました。
(こんなに早く伸びるとは思ってなかったけど)記事を書いてる2019年10月時点でその頃から倍以上です。
たぶん資金がある方の(もっともっとある人もたくさんいるけどさ)自分でもリスクをとれば大きく伸ばせる可能性がないわけじゃないです。十分に流動性があるものの中でも可能性が十分あると判断したものが実際倍とかになったりもままあります。
損する目を引いたとき致命傷を負う可能性に目をつむりというか狙える銘柄に集中すればそんなの簡単に出てきます。倍になることもそして半分になることも。
そのように思うところで自分としては流動性を踏まえても銘柄選択で上る見込みをたてそれを狙えることに関しては資金が少ない人に比べて選択肢は少なくなるものの特別不利だとは感じてもなくまたチャンス自体はあると感じてます。
ただ悪い結果が出ると大きく減りそうに思える銘柄に集中などのリスクのとり方はするべきでないと判断をしてるだけです。
悪い目が出て取り返しのつかないダメージになる可能性を嫌ってるという話です。(実際にサンバイオならそれが正解だった)
リスクをとりにいけばきっと大きな成果が出たり大きな失敗になったりするでしょう。
それは資金が大きくとも小さくても変わらない事なんじゃないでしょうか?
しかし、資産が大きな人は守りたいものがあり大きくリスクを取るのを避ける結果成績が良くも悪くも安定して、資金の少ない人はリスクをより大きくとりがちで、成績が良くも悪くも安定しない。平均的には悪い結果になりがちだけど、時折傑出していいケースもしばしば出てくる。
そうなのではないでしょうか?
自分の結論は以下です。
・資金が大きいと流動性の観点で不利である。
買いたいものを満足に買いたいだけ買えない、売りたいものを売りたいだけ満足に売れない事が多くなってくる。
・資金が小さいと資金管理上の観点で不利である。
資金が少ないと単元の大きな銘柄を組み入れるのが難しくまた組み合わせにも制限が出る。大きいと何をどれだけ組み入れるのかという選択に幅を持つことができる。
資金の大小から生まれる有利不利は以上までです。
あとは大量に注文出すことによって株価を変化させるはことができるとかもありますがこれらはどうだろうね。これを有利と言うことは流動性がないほうが有利だと言うことと一緒なんだけどね。負けてる人が資金が足りないので仕方ないという言い訳にしてるのではないか
他にも大株主になり会社に自らに有利になるように働きかけることができるとかありますけどこれはあまりに例外的ということで本件では考慮外とします。
となるとやはりここでは以下の二点まで。
・資金が大きいと流動性で不利
・資金が小さいとPF管理上で選択に制限を受ける
そして自分としてはよく生まれる成績の差は資金の大小から生まれる差ではなくだいたいリスクの取り方の違いによって生まれる差であろうと考えるところです。
成績いい人はだいたい大きくリスクを取ったことが理由であり、悪い人もだいたいリスクを大きく取ったことがその理由。いや、中にはうまくリスクを取ってあんまり危ないことをしてないけど大きく増やしてる人はいると思いますよ。
さてどうしましょうか?
ここまでいろいろ言いましたが、本題はむしろここからなんですよね。
きっというほど資金の差による有利不利は生まれないというかそんなに差はないはずなんです。
すごいパフォーマンスが出たり、あるいはそんなにすごい成績は出ないけど安定的に勝ってくるかどうかは主にリスクの取り方に起因する。
そのとき自分はどの様にリスクをとればいいのだろう?
たぶん基本的には二択なはずなんです。
うまくいかなかったら大きく損するけどうまくいくなら大きく資産を伸ばせるリスクをより大きく取る。
うまくいかなかったときの被害も抑えつつ、うまくいくならほどほど伸びるようにする取るリスクをより小さくする。
よりリスクを取るか。よりリスクを取らないでおくか。
自分は資金が小さかろうが大きかろうが年に倍とかになるような行為はまずはだいたいリスクのとりすぎなのではないかと考えます。
ここでいう取り過ぎとは永続してやるならいつか破綻するだろうリスクの取り方という意味です。
だからそれは永続してはならない水準のリスクの取り方だって。
でもある時期だけならどうだろう?
例えば資金が小さい時だけとか。
自分は資金が小さいならよりリスクを取る行為もなかなか合理的だとは思います。
他の収入から補填が容易いからです。
これはその人の収入水準によって大きく違うから一概にどれくらいがそうともなかなか言い難いですが1~2年くらいに捻出できる投資資金くらいならあるいは無為になるリスクを負って大きく増やすことを試みるのもありなのではないかと思います。
しろとか全然言ってないですよ。だってしろと言うなら事実上ギャンブルしろと言ってることと同義だし。
でもあるいは時期にでも恵まれたらあまり判断精度高くない人でも大正解となるかもしれませんし。環境そんなに良くなくても実力あるなら損すると骨折くらいを捻挫くらいに抑えつつ大きく増やすことを狙うこともできるかもね。
ですが、基本的に少額投資の世界は惨憺たることになってるように、リスクを大きく取ると言う行為は相当覚悟がいると思いますけどね。それでもそれを望むならハードモードも良いでしょう。
あとは不可抗力かもしれませんが少額投資で個別株投資だとどうしてもリスク取る選択になってしまうかもしれません。例えばエレコムは優良企業ですがこの記事時点で単元は40万円ほどです。100万円だとこれを買うと1銘柄40%となってしまいます。これは集中でリスクを取ってる状態と言えます。なので大きく増えたりすごく減ったりすることが拒否し得ない感じに起こることになりそうです。
ただこれもミニ株とかリスク下げる選択もないわけではないのでリスクをとりたくないとするならそういう手段も検討してみることをおすすめしますよ。
一方資金大きいと大きくリスクを取る行為というのは基本選び難いですね。
自分なら1000万円くらい飛ぶともう入金じゃカバーできないですもの。根本的には投資で持ち直すしかない水準です。それを早く取り返すことを望むならおそらくはさらにリスクを大きく取るしかないかもしれません。でもそれってもうただのギャンブラーなんですよね。
なので自分はもうリスクを大きく取ることにかなり慎重です。極めて有利だとしても大きく損をする可能性を見るならもうそれに集中するようなことはないんじゃないかな?いや、ないと思うな。わかんないけど。
余談にそれましたが・・
というか本題にそれたというべきか。
あなたはどれだけリスクをとっていくか選べます。
というより選ばなきゃいけません。というか投資をしてるなら既に選んでます。
選んでいるという意識もない中で選んでるのかもしれませんが。
自分はそう思うので流動性やポートフォリオ配分にも気を配りつつ、ここではリスクをとる。ここではなるだけ負わないでおこうとかか考えながら投資をコントロールしているわけです。
あなたは投資資金の大きさも踏まえて
背負うリスクをどうコントロールしますか?