大河の一滴

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2024年8月株安の位置づけ

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2024年8月にわりと大きめの株安が起きております

わりとコロナ以降から大きな株安が来てない中久々にいわゆる”ショック”級の株安が来てるのかなとも思い2024年8月3日の時点で背景情報を整理してみようかと思います。

おちた理由とかでなくこの記事作成時における株安っぷりと企業業績とバリュエーションとかの視点からの整理が主ですね。

 

だいたいこれを用いての整理です。

kamomenotoushi.hatenablog.com

 

もしかしたら迷える羊になってる人の参考になるやもしれないと。

そんな話。

 

まず株安の程度

日経平均でもTOPIXでもどちらでもいいというか、あまり値動き的には変わらないので、指標PERPBRなどが参照しやすい日経平均を見てみましょうか。

日経平均週足を御覧ください。

日経平均株価(225種)の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん)

まだ年初来はマイナスではないですが、2024年4月以降の安値を割るかたちで2月以降の株高を全部否定したくらいで7ヶ月後退くらい。

高値安値でいうと、42426.77から35880.15は15.5%ほどのマイナスでありここは実のところまだ大したことはなく近年だと・・

2018年の24448.07から18948.58の-22.5%ほど

2016年の20952.71から14864.01の-29%ほど

そして2020年のコロナの24115.95から16358.19の-32%ほどには及んでいません。

33193までいくと年初来マイナス突入で、この記事作成時の日経先物などの値をみてると、行きかねないという印象は受けております。ここまでいくなら-21%ほどで、2018年血のクリスマスに並ぶ程度のドローダウンとなりそうです。

 

加えて市場統計推移記録表では年初来の高値更新銘柄比率と年初来安値更新銘柄比率そしてその差を集計していまして今回集計来2015年以降の毎週金曜日集計となりますがその集計上位のその年初来安値更新比率10%以上の集計日。

今回の8/2で年初来安値更新銘柄が市場銘柄の27.9%に及んだとなり、これより上位は2020年コロナショック、2018年血のクリスマス。2016年2月6月などに続く水準でこれらはいずれも日経平均PBR1程度をつける水準のもので、それなりに経済危機とか経済危機の懸念があったときという認識でおります。

ということで、この視点ではすでに結構キテいるとは見れるかもしれません。

RSIの視点から。個別銘柄各々から算出するとそこまででもないという話もあるようですが、日経平均単体でもRSIが見れるようで

日経平均株価:RSIチャート | 投資の森

 

長い期間で見ると目先はコロナとかリーマンよりも売られ過ぎの水準がでています。

もっともこれというかRSIは見る期間でも差がでてくるもので3年レベルでみると2022年末にもあったレベルで一つの参考点くらいでしょうか。




あとはかもめの実感の話になりますが景色変わるのが今回特に早く、たぶん8/1、8/2だけで景色一変してそうで絶対的な騰落率ではまださほどでもないけど、年初来更新比率やRSIなど一部指標ではもうすでに過去のショック級の下落に準じるものが結構キテるみたいな印象です。

これはNISAみたいな盛り上がりに冷水をぶっかけるレベルにはなってそうで、はやくもXなどで爆損とか追証っぽいケースも散見される印象です。

 

日経PBR視点

ヒストリカルデータ - 日経平均プロフィル

 

目先8/2で日経PBRでは1.3ほどとなります。加重平均でですね。

日経平均株価:PBRチャート | 投資の森

以下は一日遅いですが、これが1.3になったところで2016-2023の高いくらいの水準であり、これが仮に1.1ほどなら2022年10月などにつけており目先の日経平均35909でPBR1.32からBPSは27200円ほどとみると・・・

PBR1.1なら29924円となり3万割れ。

PBR1だと27200円ですがこれは上記の通り2015年以降のコロナ以外のショック級の株安の底値になるくらいの位置です。

PBR0.8級でコロナ級ですがこれで21700円位が目処でコロナ以外だとリーマンショックの底値くらいで歴史的低評価水準といえます。

PBR0.9で24480円くらい。ここは東日本大震災で底くらいです。

と、PBR視点でみるとまだ結構下があり得るとはなりそうです。

これはわりと2024年以降日経平均がPBR水準をあげたからですね。3年PBRチャート。

2024年1月からPBR水準をあげており、今回は現状そこから2023年の水準に引き戻されてきたという感じにはなっております。2023年の平均的?日経PBRがだいたい1.3くらい。これが2022年まで引き戻すと1.1-1.3くらいの水準になります。

 

企業業績から

というわりとショックというに近い市場全体を襲う株安がキておりますが、その裏といいますか実のところ企業業績は目先かなり好調です。

市場統計推移記録表では市場全銘柄(正確には東証全銘柄)の株価データを用いて企業業績統計みたいなことができます。

端的には、時価総額を全銘柄足して市場時価総額を出したり、EPS×発行株式数の総和をだして市場予想利益を出したり、×BPSで市場純資産の総和とかとか株価データから算出できるものの集計と推移の記録ですね。

 

というデータですが以下です。

見にくいかもですが、その市場予想利益総和及び市場純資産総和及び予想配当総和において2024/8/2が最高値です。

毎週最終営業日集計なので毎日じゃないですが、ほぼ2015年以降で最高値でしょう。というより史上最高値ではないでしょうか。

 

つまり目下日本企業総体では、史上最も利益を出すぞとしており、最も手持ち資産が多く、最も配当を多く出しますよとしているとなり、史上最も状態が良いと断じて良いではないかと思います。

予想利益に関しては目先56兆円台を越えて初めて57兆円台に入っております。

グラフも見てみましょうか。予想利益と純資産推移。

純資産で右肩。予想利益はぶれはありますし、2020年あたりに大きく後退・・・これはコロナで多くの企業が予想利益を出してなかったことも大きいですが、伸びる傾向です。

そして2015年以降予想利益で年複利7.35%、純資産で複利6.33%のペースで来ていると。

PERとPBRの推移。市場全銘柄の加重平均ですね。おおよそどちらもレンジと言えましょう。PBRは少々まだレンジ上位となるかもしれないくらい・・ですが、レンジ内の範囲ですね。

 

他にも配当とかROEとか時価総額とかもあってもいいかもですが、あってもあまり結論も変わらなさそうだし省略。

 

かもめ的結論

現場のところ、市場正常の範囲内の中での調整ではないかという印象。

それで2024年以降、NISAだの半導体だのお船だのでちょっと調子に乗ってバリュエーションをあげていた市場に冷水がかかる形。冷水がかかり調子こいてたのが通常運転の範囲に引きずり戻されたくらい。

調子に乗ってたので、水が冷たく感じられると言うか急にもきたので結構パニック気味になってるのではないか?

というかここで調整が入ったことがある意味市場が正常さを維持していることの証左かもしれません。

そしてここで調子乗ってたのが我に返る?調整が入りさてどうでしょうかというか仕切り直しというか通常巡航速度に戻るシナリオが可能性高いとなりそうな。・・くらい。

 

・・・というのは、企業業績が堅調な範囲内での話で、これが頓挫するともっと厳しい展開もあるかもしれないも一つの可能性として。利上げをきっかけに企業業績崩壊もないともできません。

でもないのであるなら、現場日経でPBR1以下は考えにくいかなと。これまでのショック級は企業業績崩壊の懸念でPBR1タッチ、実際に崩壊したリーマンショックでPBR0.8、崩壊が相当緊迫的に感じられたコロナでPBR0.8タッチもその後そうでもないことが示されれば速やかに回復したというのが過去の事例です。

そしてショックも繰り返しながら長期には株高して今があります。ちょっと調子の乗った投資家共に冷水がかかり正常運転範囲に引きずり戻すおしおきがされたところではないか。

あとは通常運転じゃないですかねという感想です。

PBR1.1とかあるいはPBR1くらいはあるかもしれない通常運転範囲。

 

あとは基本的には目下出さんとしている57兆円の利益が配当を出してマイナスとかにならないのであるなら企業純資産は増えるというか企業価値が伸びてしまうという構造にあろうと考えています。

基本的には企業が利益を出すなら企業価値が上がるか配当になるかで結局投資家の利益になるしかなく、そのなんというか幅というか原資が目先57兆円くらいだという話です。

これが30兆円になるなら事件ですがそれでも長期には投資家は進んでしまうだろうとは予想できます。まあ短期的にはひどいことになりそうでこのシナリオが例えば日経平均pbr0.8をついて後年くらい0.8-1.0で推移するとかね。

これがマイナスに張り付けば過去にない0.6とか付けてそこらで推移する過去にはなかったシナリオも来るかもしれません。

…ではありますが今のところ日本企業は堅調かそれ以上の順調です。今のところは。

いずれにせよ冷静になって通常運転で参りましょう。

このへんは過去に近いことをいくらでも言ってそうですが例えばこのへん。

株式投資はどうあがいても利益 - 大河の一滴

これも同じ文脈。

正しき世界(後編) - 大河の一滴

 

って感じです。

 

・・・みたいな分析もできるから市場統計推移記録表便利だよ。

KABU+とともによければどうぞ。

 

kamomenotoushi.hatenablog.com

kabu.plus

 

 

あなたはデータも確認せずに慌てますか?

それともデータを確認し考えて冷静さを手繰り寄せますか?

 

 

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