JR東日本のグリーン券の料金が変わったのです。
そんなかわったグリーン券の料金体系と鶴の恩返しのはなし。
とどのつまり価値と価格を考える機会を持ちたいねみたいなはなし。
JR東日本の普通電車のグリーン車の料金が2024年3月から変わりました。
JR東日本からのお知らせ。(PDF)
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20231215_ho01.pdf
値下げもないわけじゃないけど、だいたいに置いて値上げであり、特に値上げ幅が大きいところだと、それまでホリデーの800円だったのが1810円と倍以上の差がでるものもありと実際問題かなり値上げで結構話題になりました。
ただこれはかなりJR東日本の戦略も絡んでそうで、それまでは利用日と事前と車内の支払いで段階をつけていたのが、利用日では区別をつけず、suica利用と紙のきっぷで差を付ける感じで、言い換えれば駅員の手間の価値が高まったとなりそうだし、さらに特記事項としてモバイルSuicaでJREポイントを紐づけて使うと、利用日や距離にかかわらず600ポイント(600円相当)でグリーン車を利用できて、これだと改定前のホリデーの50Kまでなら20円の値上げですが、それ以外なら値下げになりそして非suicaの101K以上だと、三倍まで差がつく改定となりました。
これは重要な話なのですが、明確にモバイルSuicaでJREポイントまで紐づけてるユーザー・・・つまり囲い込みを済ませているユーザーをあからさまに優遇する方向性もありで・・・
これまではあまりなかった、ユーザーによって明確に同じサービスに価格差をつけてくる事例になったのではないかと思います。
なにが重要かというなら価格のつけかたの変化を示す事例となってそうなところです。
もちろん過去にそういうことはあるにはありましたが、ここまで多くの人が目にして使うサービスで三倍ものあからさまな価格差をつけてくるのはわりと新しい方向性を示してきてるようには思うところです。
あるものを買うときにその値段で誰でも買えるという前提らしきものは実は崩れてきてるのです。
このへんを以下の動画なども見て理解したので、今回それまで入れてなかったモバイルSuicaを契約しそのJREポイント消費によるグリーン車利用をしたみたいな経緯ですね。。
ちなにその旅行記。まだ改定前の話ですね。
2023-2024冬18きっぷ。宇都宮の新鉄道。 - 2023-2024冬18きっぷ。
このときモバイルSuicaでキャンペーンがあり、JREポイント400ポイントでグリーン車を利用できました。利用日も距離も問わずです。
400ポイントはキャンペーンで通常は600ポイントもう当面は400ポイントでグリーン券を使えることはなさそうには思えますがでも600ポイントでも結構有利なわけです。
上記記事のとき、自分は休日で100K以上の往復利用でしたので、通常800円×2の1600円のところをキャンペーン400×2のポイントでグリーン車で乗ってたわけで、改定後なら元来1810×2か1550×2のところを600×2ですね。
それでモバイルSuicaってかなり得なのねって思ってたら目の前のグリーン券販売機乗る方もいたのでその様子をみてたら800円で何人かグリーン券を買っていました。
そして車内で料金を払う方もいて、そのひとは1060円で精算される方もいて・・・
自分は400ポイント、駅のsuica発券機800円、車内精算1060円。
自分はこの差はなんなんだろうね・・・と考えさせられてしまいました。ってのは上記の動画の話で、アテンダントの手間賃や囲い込みボーナスだってことにはなりそうですが、もうそれでここまで価格差が開く時代になってきたわけです。
改定後は更に差が開いてるわけで、紙のグリーン券とか券を確認する手間にコストがかかり一方で情報が安くなるという方向性っぽくて多分こういうのは他のところでもいろいろ出てくるような気はしています。
そしてなんでこんな話をしてるかというなら、だから上記のとおりにこれが価格そして価値が変わっていくことを示す端的な事例になるとおもったからです。
ある意味のこのグリーン車はその最先端というか価値と価格が普遍でも不変でもないと感じられる最先端にあるわけです。
そしてこのSuicaグリーン券のことをかんがえていたら連想されたものがあります。
それは鶴の恩返しです。
鶴の恩返しという昔話があります。
鶴の恩返し。若者バージョン
おじいさんおばあさんバージョンも。
いずれにせよ若者でもおじいさんおばあさんでも、ツルは助けてくれた恩人のために恩返しをするという日本人なら誰でも聞いたことのある話だとは思いますが、ツルは自分の羽を抜いて高価な高価な布を織ったわけで。まさに命をかけた恩返しです。
そんな話ですが、なぜツルは布を織ったのでしょう。それも自ら羽をむしり命をかけて。
それはもちろん布が高価だったからです。価値があったからです。
高価で価値があるものだからこそ恩人に命をかけて差し出したわけです。
もう今はそんな感じでもないけど布や衣服はとっても貴重で作るのが大変でした。
産業革命前では服は貧しくて困ったときに売るものだし、昔の貧乏人は服着てなかったし、服が富と権威を示す道具だったし、ちょい前くらいは衣食住で生きるのに十分なものの一つにカウントされてたくらい。
だからこそ鶴が命をかけて織るのは布だったわけです。
実際にそうだったとは裏付けとってないですが、かつて服を作るのがどれだけ大変だったのかを知る話がありまして。
ここの6:50あたり。
羊毛を布に加工するために劣悪な環境で1日中ずっと働いてやっとできたのが服でした。
でもそんな話ももう過去の話。
産業の進歩そして経済成長で、劇的に服を作るのが簡単になりました。
それで貧しくて困っても服なんか売れなくなったし、どんな貧乏人でも服くらいは着るようになったし、もう着てるものではどっかの国の大統領と零細企業で働くぺーぺーかも見分けがつかなくなったし、衣は必要最低限な豊かさを示す指標としても機能しなくなりました。
まあいまでも古くからの製造手法をとる衣服は高いですけどね。振袖とか。
そして今だったらツルは布を織らなくなるのでしょう。
鶴が命をかけて恩返しするなら何を作ってよこすんだろうね?
それはユニクロのヒートテックでも今治タオルでもないはずです。
だから今の価値や価格の付き方からしたらもう布はあまりに軽すぎる。
その価値と価格は変わってしまった。
布の価値は下がり果ててしまった。もう命をかけるものではない。
だからもうツルは機を織らない。
価値と価格のあり方は変わっていくのです。
そして僕らにはそれをどう扱うか?という問題が突きつけられていると思うのです。
それはあなたに委ねられている。
それにどんな価値を見出し、そしてそれにどんな値付けをするのか?
そしてそれは時が過ぎるに連れ社会が変わればその形は変化していく。
ツルの織る布のように。グリーン車の値段のように。
その中であなたに委ねられたそれをあなたがどう扱おうが自由である。
しかしながらそれをどう扱うかには差もでてくる。
自分はその扱い方には豊かになれる扱い方と、貧しくなる扱い方があると考えています。
suicaグリーン券なら目についた券売機に出てくる値段をそのまま何の疑問もなく受け入れるのも不利になってしまったのかも知れない。
株式投資ならそれをザイの理論株価に委ねることで豊かになれることを期待するのは難しいでしょう。
自分は自分に委ねられたそれをうまく使いたい。
そしてもう布は命をかけるものではなくなってしまいました。
ツルはもう命をかけて布など織りません。
命をかけて暖かいユニクロのヒートテックや柔らかい今治タオルを作って差し出しても、恩を返すべき人は喜びません。命をかけるほどの感謝があるとは感じ取りません。
それは価値のあり方そしてそれに対する価格の付き方が変わっていくことを示しています。
価値とはなにか?
何に価値があり何に価値がないのか。
それは変わっていきます。
そしてその価値に対する価格の付き方も変わっていきます。
あるいは今後はその形は今までよりもっと違うものになっていくかも知れません。
買い方によってかなり差がつけられるようになったグリーン券のように。
いまこの瞬間にも何処かでそれは変わってるのでしょう。
たぶんその変化も早くなっているのでしょう。
それにあまり鈍感でいないようにしたいですね。
なにかのアンテナを張り続ける。
たぶんそれも投資にも活かせることなのでしょう。
賢い価値の見方、豊かになれる値付に仕方ができるならいいじゃないですか?
そしてグリーン車の値段の変わり様と同様に価値と価格のあり方が変化してときには全く違うものになっていくさまを今日に伝えているのが鶴の恩返しなのです。
今ツルが命をかけて紡ぐ価値があるとするならそれはなんですか?
それにあなたはどれほどの価格をつけますか?
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