ときは2021年8月。
株式市場は軟調だったようで 特にマザーズなどはわりと大きな下落となって、Twitterとかを眺めていても、かなりあたふたするような人もいたようだし、大きな損をしたとかみたいな話も流れてきたりしてました。
そのなかであなたもあたふたしたり、あるいはすごく振り回されて損してたり落ち込んだりした人もここに来てるかもしれないね。
ってこれは8月辺りに書いた記事ですが2021年12月現在マザーズなどはさらにきつめの株安になってよりわちゃわちゃした方も多いのではないか。
そんな中で見た話から思ったことの話。
この話はいろいろ膨らませようもあるけど今回はそのあたふたがどんな環境下で起こったことなのか振り返ってみようぜみたいな趣旨の話。
それは株価が100倍以上になるペースだしそういう環境で起こったことだしその中できっとあなたはあたふたするしあるいは損してるのではないかな?という話。
この記事の踏まえてもらうとより通りもいいでしょう。
正しき世界の果てにある100倍って話だね。
ちなみにタイトルは本文で回収してないです。
まあ8月でも12月でも軟調な市況はさておき
このようなTweetをみかけてね。
歴史的な超長期投資の結果開示
— 木下洋介 (@yosuke_kinosita) 2021年6月30日
先進国
ベルギー株への投資1900年〜2000年まで 12.3倍のリターン
オーストラリア株1900年~2000年まで 1490倍の投資リターン
日本株1900年~2000年まで89.3倍の投資リターン
途上国
南アフリカ株1900年~2000年まで800.9倍の投資リターン https://t.co/zcD45WZmsm pic.twitter.com/SRWpAYUxap
以下のようななTweetをしたわけです。
一連のTweetは同意するところが多く、自分も言うほどGDP成長関係ないって思ってます。というのも株式の構造理解すれば導けると思うんですよね。BPS×PBR。
— かもめ (@kamomejan) 2021年8月17日
長期の株価パフォーマンスの本体は長期にいかにBPSが伸びるかです。 https://t.co/liErg0uYyJ
世界主要国の長期1900〜2000年の株式リターンの話だね。
水準は大きく違うけど、国によって12倍から1500倍くらいまで。
実質リターンとあったからインフレ調整後の数値ではないか。
この辺は詳細まで確認してないから自分の言うことは間違いもあるかもしれない。
Tweetは消されるかもしれないので転記させてもらうと
ベルギー12倍
日本90倍
イギリス290倍
アメリカ710倍
南アメリカ800倍
オーストラリア1490倍
ってところです。100年の結果ね。
まずは長期の株式投資のパフォーマンスってのはこれぐらいにもなりえるし、長期なら悪い方でも12倍とかなってるって話だね。
それで自分も同意したとはTweetしてますが、これらをわけるの要因として木下さんは・・
「・戦争に巻き込まれない、そして敗戦しない。(盟友ドイツの投資リターンは惨い)
・PERが高い水準にない、割安である
・きちんと株主資本主義である、利益が何処かに消えて行かない。ちゃんと配当をする。
というのは、経済成長率なんかよりよっぽど大事だと思う。」
と仰っていて大枠では自分も同意です。
というか自分としては長期の株式パフォーマンスは、だいたいBPS成長率(EPS成長率でもいい)で決定すると考えていてそれは必然といえると思ってます。なぜなら・・
株価=PBR×BPSでありそしてPBRの振れ幅は限界もあり大きく長期に大きく伸びうるのはBPSだからです。
上の各国のパフォーマンスの幅もつまりはPBRの差と言うよりはBPS伸び幅の差になるでしょう。タイミングによってはPBRも数倍の差がでるかもしれませんので1500倍が500倍くらいになるかもしれません。でも1500倍がPBR変動で150倍はちょっとないんじゃないかな。ベルギーもPBRの変動で12倍が100倍になるとも思えず、ベルギー株価のパフォーマンス劣後はつまりベルギー企業は長期に大きくBPSを伸ばせなかったからであろうと思われます。PBRやPERを伸ばせなかったじゃなくてBPSやEPSを伸ばせなかった。
で、BPSの増える条件です。
これは経済成長したからではありません。人口も関係ないですよ?
企業が利益を出したからです。
BPS1000の企業がEPS50を出してBPS1050になる。これだとROE5%だね。
経済成長しなくても人口とか増えなくてもある企業がROE5%ほどで利益を出せば、BPSは5%増えます。
つまりはBPSの増えるスピードはだいたい長期のROE水準と近くなります。
まあ配当とかなどあったりするので実際はもっと低そうとはなるけど、BPSで増えないならそれはそれでその分は還元としてリターンになるって話ではあります。
この辺は以下など見てくれると。
まあ、ざっくりですが長期に株高するかどうかはBPSが増えるかどうかであり端的には企業が利益を出して内部留保できるかでありますし、その速度パフォーマンスがどれくらいになるかは、企業がどれだけ利益出せるかであり端的には長期のROEがその速度に決定的に影響を及ぼすだろうということです。
だからベルギーの株式パフォーマンスが悪いのは端的はベルギー企業は長期にROEが低迷したからだろうとは言うことができます。
で、その速度。実際にはどの程度の速度なのでしょう?
これは計算出来るわけですね。
100年で何倍のとき。それがどれだけの速度か。
ベルギー12倍は2.5%
日本90倍は4.6%
イギリス290倍は5.8%
アメリカ710倍は6.8%
南アメリカ800倍は6.9%
オーストラリア1490倍は7.6%
以上です。
これは古いバージョンでなければEXCELで簡単に計算できます。
RRI関数ですね。
RRI関数で元金と満期受取額から複利計算の利率を求める | Excel関数 | できるネット
=RRI(100(年数),1(初期数値),90(結果))
と入力すればおよそ4.6%と簡単にわかります。
上記ページで12かけてるのは月利で出したい場合ですね。
で、実はですね。
リーマン以後の日本は以下の記事時点で10年間9.8%です。
仮にこれで100年回ると11487倍になるペースです。だからBPSが11500倍。
まあこれはコロナ前の話なので以下のサイトで日経平均を再計算すると・・
2010年1月4日/PBR1.31
2021年1/4日/PBR1.2
であるので、それぞれ終値10654.79と27258.38からBPSを求めると・
2010年/8133.43
2021年/22715.3
になりますのでこれで11年の複利を求めすと・・・やっぱり9.8%ですね。
つまりリーマン後は100年後には1万倍以上になるペースなわけです。これなら何かの間違いでPBR0.2くらいつけられても1600倍以上です。
まあ、実際はそこまで行くとは考えにくい・・のではあるのですが知ってほしいわけです。
リーマン後はGDP停滞、人口減の環境にある日本ですら100年間にBPSが1万倍以上行くペースで企業価値が向上し続けているのです。
それは考えにくいといいました。
これはある意味悲劇の予言です。
企業が順調なら資本主義社会における株価パフォーマンスとは、GDPがふらついても人口減でも100年なら万倍行くペースで企業価値が向上しかねないものだし、日本ならそれが実際に起きている。
掛け値なしにもし日本でこれまでの10年が10回再現されるなら株価はBPSが万倍つけることで万倍の高みまで駆け上がってることでしょう。
しかしきっとそうはならないでしょう。それは悲しい予言です。
実際に過去100年にそこまで株価が上がった国はありません。
なぜなら、BPSが伸びない期間があるからです。あるいは減ることもある。
企業が順調なら万倍は早いかもだけど数千倍はいくペースで企業価値は向上するもんなんです。しかし実際にはそうならない。
なぜなら立ち止まるときがあるからです。
日本の過去なら第二次世界大戦で国内の生産設備は破壊されたし、バブルを作って崩壊後20年近くBPSは増えませんでした。
企業は順調なら100年に万倍近くの価値向上を為せるものです。しかしそうならないのは長い期間になると順調でないことも起きて足踏みあるいは後ろに引きずり戻されることも起きうるからです。
上のベルギーのパフォーマンスが悪いのはつまりは順調でない時間の長さじゃないかな。で、第二次世界大戦で戦場にならず真に大きな政治経済混乱のなかったアメリカは長い間には他国を突き放し、戦場になったりバブル崩壊デフレで長く足踏みしてる日本は比較伸び悩んだ。
そういうことだろうと思うわけです。
これは悲しい予言です。
万倍行かないというのは。企業が利益をだし富を蓄積できない期間がくるだろうという予言になりますので。それが経済停滞かあるいは戦場になること、あるいは根本から体制をひっくり返される革命みたいなものかなにかはわかりませんが。100年もあればなにかは起きて万倍の成果からは引きずり降ろされてもっと低い成績になるでしょう。
たぶんね。というかだいたい9.8%は出来すぎでもっと下で落ち着くと思うけど。
まあ起きてない戦争も大経済混乱も革命もここではどうでもいい話なんだ。
わからないからね。
未来はわからない。100年先ならもっとわからない。
けれどわかることもある。
リーマン以降の10年ちょい、コロナを越えて目先。
今なら指標レベルでは100年万倍のペースで続いてる。
言いましたがこれまでの10年が10回再現すると、BPSなら万倍つけるペースで企業価値向上が進んでいます。
それを知ってますか?
じゃあ知った。その先の答えはもちろん人次第だと思うんですが、それを知った上で。
100年万倍はいいとして、100年100倍以上に行くペースが続いてる中でそれは十分な成果か?とかは考えてもいいと思うわけです。
満足しないでもいいんです。もっと上をめざすのもいいでしょう。100年後万倍になっても死んでるだろうしね。
しかしこのことを知ってたなら、あなたの投資戦略も変わるかもしれないと思うんです。
あるいは青い顔になってよくある夏枯れ相場で信用建玉をぶん投げて致命傷負うようなことも避けられてるかもしれないと思うんです。
この10年が10回再現すればBPSは万倍いくペースです。
この先はわかりません。しかし今の今そのペースは続いていて、長い目で見るなら恐ろしいスピードで企業価値の向上が進んでいます。あなたがこのブログを読んでるこの瞬間も。
さてどう思いますか?
その上であなたの投資は今のままでOKですか?
もちろんOKでもいいかもしれないし。OKじゃないかもしれない。
その答えがどうなるかはそれこそ人次第です。
自分の狙いはその問いが発せられることにあります。
自分はとりあえず、ちょっとの値動きで青くなってぶん投げなくてもいいなあって思ったりするところです。青くなるのは悲しい予言が当たりそうになる・・つまりは大きな悲劇によって企業が利益を出せなくなるようになってからでもいい。
だって万倍はわからないけど、数千倍はいくペースで来てるのだから。まあ100年後は死んでると思いますけどね。
でも、こういうことも把握してるのがこの夏枯れ相場でも冷静な態度を貫ける一つの理由になってると思うわけです。
平常時、企業価値の伸びるペースは長くはとても早い。
それを知ってあなたの投資は変わりますか?
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