深堀りしましょう論があると思うんです
特にファンダメンタルズ投資の実力者にそのようなことを言われる方が多いとは感じていまして。
もちろん深堀り自体は否定しません。
するかしないならするほうがいいと思いますし。
でもね・・・?
自分はどちらかといえばこっちのほうが力を持つと考えているんだみたいな話。
それは浅く広く。
ちなみに今回はこう言いますがだから自分は深堀すること自体には否定的では無いです。
以下のような記事も書いてますしね。
でも深さよりはまず広さだろうとは言いますけどね。
そんな話。
なんで深堀りしようなんていうんでしょう
たぶんここは握力に関わるところだと思うですよね。
深堀することでその会社をよく知り、いい所をよく知りあるいは気をつけないといけないことに目を配る。
それをより質高くするためにはその会社をよりよく知ることが必要だ。
あるいはすごく知ればその会社の計画や株式市場を先回りして変化を感知出来るようなことも出来るかもしれない。たまにそういうこともできてそうな方もいます。
なので深く知ること深堀すること自体のメリットは否定しません。
しかしながら基本的にはなんで深堀するとか知るの?とか言う時にその到着点というか目的は以下だと思うんです。
それの良さや優位性あるいは悪さや注意点を判別し投資判断ができるまで。
端的には売るか買うかの判断を誤りなく下すため。
関連
逆に言えば目的以上には知る深堀する必要性自体はそんなに高くないのではないか?
そしてね、その投資判断を下すためにはもっと大事なことがあると思うんだ。
まあ冒頭で言ったけどそれは浅く広く。
そもそも投資家の強みは深さより広さにあると思うのです。
深堀りしてもいいけどするにしてもその会社のことはその会社の縁者より深く知ることは難しいわけです。
例えばある小売業の従業員ならそその属する会社のあのお店は午前中により客が入るとかそこに所属する○○さんが働き者だとか知れるかもしれませんけどその会社の外にいる投資家だと大抵においてそういう深いというか細かい情報は知りえませんし、そして投資でそこまで細かい情報はあまり必要でもないでしょう。
けれどある会社を浅く知ることはわりと容易なんです。
なんでもいいですけど財務諸表の読み方を知っていれば100の会社の財務諸表を読んでそれらの会社の状況を浅くでも知ることは容易とはいいませんが十分実現可能なことです。100の株価チャートを知ることも容易いですし、四季報の概要をみてこんな会社があると広く知ることもそんなに難しいことではありません。
そして実際に投資家はかなりの多くの企業のことを知っています。
ある投資家が、ドラッグストア、コンビニ、食品スーパー、居酒屋、ファミレス、喫茶店のそれぞれどれが売上を伸ばしていてどれくらい利益が出てるかを知ってることは珍しくもありません。
さらには同時に自動車メーカーと部品メーカー、製鉄業や海運業、陸運業、携帯キャリアそれぞれに対してどれがいま好調でどれが赤字をだしているかくらいは言える人もそんなに珍しくないです。
しかしこれがある会社に詳しい・・それこそ従業員一人一人覚えていて、細かな企業数値も把握し、歴史も諳んじるある食品スーパーを起業からこなしてるオーナー経営者ならどうでしょう。
その会社のことなら誰よりも詳しく知ってるかもしれません。食品メーカーや卸業者の状況くらいはわかるかもしれません。
しかし自動車メーカーなら怪しいでしょう。鉄道事業者も苦しいでしょう。だって必要ないですからね。
極めて多くを知ってその会社も深く知る経営者でもせいぜい属する業種くらいの範囲までじゃないでしょうか。多く知ってると言えるのは。
しかし言ったとおり投資家はそれより遥かに広い範囲のことに知識が及んでいることも珍しくありません。
そしてそれこそが投資家の強みだと思うんです。というか投資では狭く深く知るより浅く広く知ることが強みになるゆえにそのような人が多いという話だと思うんだ。
そして投資家が幅広い会社のことを広く浅く知ってるのはそれが必要だからじゃないでしょうか。
実際にある業界を深く知る経営者が投資でも成果をあげるってケースは存外少なくないですか?
また逆もしかり。投資家で成果をあげる人が企業経営してうまくいくのも存外少ない。
それはもちろんそれぞれは近いようで要求されることが違うからです。
そして狭く深く知ることが必要とされるのはどちらかといえば経営で、投資は狭く深くというより、遥かに浅く広くだと思うところですがいかがでしょうか。
経営は狭くとも深い知識を志向する。
投資は浅くとも広い知識を志向する。
投資家は深く知り例えばある会社のA店舗とB店舗の違いなんて知る必要がありません。しっても何も出来ないからです。その違いを知る必要があるのは経営者です。
投資家が知るべきなのは、それよりは競合する他の会社の状況であり、さらには全く関係ない他の業種の会社であり、はたまた全く関係ない市場、もっといえば他国の状況などを浅く広くしって、もっとマシなベターな選択を選べるための知識が必要だと思うんです。
その小売業の会社と自動車部品メーカーとどっちを選ぶのが最善か?あるいはそもそもどちらも選ぶべきでないか?を判断できるためにはその小売業をいくら深く知っても判断できません。もちろんその小売業を深堀りする暇があったら自動車メーカーのことを知るべきだし、さらには食品メーカーや鉄鋼業あたりの状況も知ってれば小売業と自動車部品メーカーのどちらがよりいいか?という判断に役立つかもしれません。
そんなわけで投資家は深堀りするよりは浅くても広く掘るべきなんだと思うわけです。
というか、深さは広さがあって初めて用をなすものだと思うんです。
なぜなら広くない深さは比較するものを持たなからです。
実際問題投資で深堀りするしろなんて言ってる人
かけていいです。
深堀りしろなんて言ってる人はほぼ例外なく広く掘ってます。
例えば、出てくる決算毎日100枚以上みるとか極めて広く掘りつつ、その口で深堀りしろとか言ってるから。
ほんとに騙されちゃだめですよ?
深堀りが大事なんだな!とか思って、広さを捨てるなんてことしたらだめなんだから。
あの人達は他の人より広く掘った上で、見つかった有望なものは深く掘りましょうって言ってるんだから。
あれは広く深くです。
そして本体がどちらにあるかといえばまず広くです。まず広く。それが最初で、そのあとのステップとしてめぼしいものを深く掘るです。
それも深いは、そんなに深くないです。企業経営で必要とされるような東京支店と大阪支店の問題社員の状況とか知る必要ないです。
そのめぼしいと思った有望銘柄でそれがなんで有望なのかの裏付けとか気をつけなきゃいけないような不味いことが把握できるくらいでいいと思います。
その会社を経営するんじゃなくて、投資先として他の選択肢よりマシであると選べて不味いことがあれば逃げる判断ができればいいのだから。
そしてよりその会社を知る必要もあるややこしい企業経営はもっと知ってる経営者がやればいいわけです。
端的には他と比較できればいいわけでそれはもちろん比較対象が必要で、比較対象をつくるためには狭く深くよりまず浅く広くです。広く出来ないなら深くしてもそんなに意味はありません・・とまで言いませんが広くするほうが意味があります。
それで広くした上・・・小売業の色んな会社をしり、電機メーカーもWEBプラットフォームも、製鉄業も倉庫も不動産も、製薬も介護もその中のいろいろな会社も見た上で、もう広さはいいやって思ってもまだパワーが余る人はだからその気に入った会社を深堀りしてもっといろいろ調べればいいんじゃないかなって思います。
パワーがある人は広くした上で、気になったところは深くも掘ってみる。
それだけの話です。
というか、広くない人は深く掘れないんじゃないかなって思います。
だから広さがないなら比較できなく掘るべきものもわからないはずだと思うから。
こうは言いましたけど
だからもちろん自分は深く掘ることは否定しないし、実績出した凄腕のみなさんもゆうことだしもちろん効果もあると思います。
でもそれは広さがあった上でのこと。
それを忘れず自分はまずは広さが大事。
というか広さに支えられて深さも活きる。
まずは広くあって選択肢をより多く用意できるようでいたいと思うわけです。
浅く広くと深く狭く
投資にはまず広さが大事です。
あなたはどうやって広げそして深くなりますか?