株式投資においてまず押さえておいた方がいいかなって思ってるところに
ゼロサムとプラスサムマイナスサムの区別する事ってのがあります。
それは投資本なら序章か1章にあるべき内容だと思っているところだったりします。
今回は自分的にその株式投資におけるゼロサムとプラスサムはこんなもんだよね?なんてことをまとめてみるエントリー。
そしてその時見えるプラスサムの限界と可能性の話。
株式はプラスサムと言われてます。
実際その通りだと思います。
株式における投資対象は企業であり、その企業が稼ぐ利益も投資家のリターンであります。
自分はこれが株式投資のプラスサムだと考えています。
しかしそのプラスサムはどの程度かというならば、良く言われる言説は7%とかですね。
これは長期過去の推移で市場全体でそれくらいの実績がある(時もあると言うべきだと自分は思うけど)とか、市場をまとめるとROEが7%程度ってところが根拠かなあって思うところです。
ROE7%は自分はわりと理があるとは思っていて、なぜならBPS100でROE7%だとEPSは7になり、次の年はBPS107になりROEが低下しないならBPSは複利7%で伸び続けます。そこにPBRの変動がなければその株式のリターン(税抜き)は正しく年複利7%に収まるでしょう。
それでだいたい日本市場全体ならPBRもROEも長期には一定の水準に収まると言えるので、長期の平均ならそうですね。ROEに準じるというか基準になりそうです。
・・実際にはROEの一部は配当として配られるのでそこは留意ですね。時々ROE30%とかありますがそれのリターンが30%とかにならないのは端的には配当のせいと考えられます。高ROEのEPSをそのままBPSに積めば恐ろしい勢いでBPSは伸びるわけですが、実際そううまくいかなくすごい勢いでROEが下がるのでかなり配当で配るわけでその時高ROEは高PBRな筈で、例えばPBR10なら、現金1円を10円と評価してるわけで、配当はそれを一円としてもらう行為でここでROEほどリターンが出ないとなりそうです。
この辺りはこの記事でまとめてますかね。
そんなところなんですが
まとめるなら・・
市場全部まとめるとだいたい日本だとROE7%近辺。
これはプラスサムがだいたい7%に近いところになると言える。配当になった分もPBR1の近辺ならだいたいそんなもの。
なんですが、これはあくまで市場全部の平均で長い間の平均という事になりそうで、これはある銘柄が毎年7%のプラスサムがあるということは全然示さないし、トピックスなどのインデックスでもある年に平均7%のリターンがあるとも全く示してません。
あくまでも市場全部で長い期間の振り返ってみたらそれくらいあるかもしれないという話になりそうです。
だから・・
全体でも個別でもある年はもっと上手くいったり上手くいかなかったり、あるいは上手くいかないのが数年以上、あるいは10年以上(日本ならバブル以降にありました)続くかもしれないし、ある銘柄はある年全然だめというか大赤字だったり、長期に見ても全然ダメでまったくプラスサムを創出しませんでしたなんてこともあるって話です。
そういう意味では、インデックスではなく個別銘柄を言うならプラスサムは以下くらいですかね?
長期に振り返るとBPS(EPS)+配当のプラスサムリターンはおおよそ2%〜20%(たまにほぼプラスサムがないとかあるいはマイナスになることもあるし逆に大きく+30%近く出すものもある)になるけど、ある年はもっと良かったり、逆に全然悪くなったりするし、あるいはそれまでの傾向とまったく違う水準で定着するようなこともある。
くらいじゃないかなあと思います。
まあ、ややこしいですが今回で一番重要なのはだいたいプラスサムリターンって言ったって、それは長期に振り返ると2〜20%程度に収まる程度だって話です。
これは多くに人にとっては不満なはずなんです。
投資を始めて一年で100万が120万になる。
これはプラスサムで言うとありえそうな水準のマックスに近い水準でこれ以上はもう異常値と言える特別な水準なんですが・・
多くの人は不満なはずなんです。
これが不満ではないと言うなら、あまりない水準で無欲な人かあるいは知識をつけてその数字が極めて優秀な数字であると知ってる人なんじゃないかと思います。
というか大体の人は10%以下ですって。10%でもどちらかと言えば優秀くらいだし。となると100万でも大体一年で110万以下の成果になる人が多い。
この程度では不満に感じる人が多いはずなんです。
おそらく人が素で感じるリスクをとって満足するリターンとはもっと上だと思うんですよね。
だから無欲な人かそれはそれでも上等だと知識をつけた人以外の話ですよ。
それで投資で一年単位くらいならもちろんもっといい結果になることも多いです。
だからこれはあくまで平均の話だし、それもプラスサムの話をしてます。
ただもっと勝ってるならその年はプラスサムがより大きく出た運が良かった時か、偶然か実力かでゼロサムで勝利した時です。
もちろんそれより結果が出ない年が多いと言うか、満足いく年より不満な年が多いはずなんです。平均以上だからね。
毎年ゼロサムで勝てるような優秀な人以外はそうなることが多いでしょう。
・・・何が言いたかと言うとここにプラスサムの限界があるということです。
プラスサムは大体の人を満足させるほど大きな成果は生み出さない。
これがプラスサムの限界です。
特に株式なんかはプラスサムですよーなんて言われます。
事実そうです。
しかしそのプラスサム度合いは大体の人を満足するに足る水準になってない。
この限界を特に株式投資でプラスサムを期待して行う人は知っているべきです。
不満を感じるはずです。
故にこの不満に対する対処を考えるべきだと思うんです。
例えば物足りないとする分をゼロサムでの勝利で補おうとすること。
例えばそれはそう言うものだと知識をつけて納得した上で戦略を考えること。
これらの例は例えばで他にもやりようがあるかもしれませんが、いずれにせよそれが不満だと認識し対処をしてその先を考えられるのはそのプラスサムの限界を知ればこそだと思うんです。
あなたはプラスサムの限界を知りその不満にどう対処するれば良いのだろうか?
しかしプラスサムには限界を持つとはいえ積み上げればそこそこな結果にもなります
不満な不満な年5%なプラスサム。
しかしどうでしょう。
それを30年回したらどうですか?
エクセルを持ってるならFV関数みたいなものもあるので計算できます。
=FV(「利率(%)」)/100,「投資年数」,「定期支払額」,「元本」)*-1
で計算できます。
複利計算サイトのリンクも張っておくよ?
まあ計算すると、5%で30年回すと4.3倍ほどです。
これを大きいとするか小さいとするかは人次第でしょう。
でも絶対にとは言えないけど、長期複利5%はかなり届くといえる現実的な数字です。平均をとればプラスサムで、もうちょっと上となりそうですからね。ゼロサムで少しくらい負けても届く水準です。まあすごく負けたら難しいので絶対とかは言えないのですけど。
長期積立にすれば4.3倍もかなり大きな数字になりまた5%くらいはそれほど無茶でもない目標で、これは若くに人生変えるのは難しいかもだけどわりと多くの人が老後の破綻を防ぐくらいの成果に届くと思います。
そしてだから5%なら知識つけるなら全然絵空事じゃないわけです。
そしてこれは簡単な部類じゃないけど、長期の複利10%とか15%とか20%入れてみますか。
30年回してみようぜ。
そしたら・・
10%なら・・・17.5倍
15%なら・・・66.2倍
20%なら・・・237.4倍
そうなります。 それくらいになるんです。
これは毎年出なくていい。平均でいいものです。
平均10%どころか20%でも単年なら多くに人には不満な水準でもそれを複利で積み上げるとこのような結果になるのです。
この成果じゃ不満ですか?240倍とか66倍くらいじゃ不満ですか?
たぶんそう思う人はぐっと少なくなると思うんです。
わりと多くの人は17倍程度でかなり満足というか人生を好転させることが出来る水準になるんじゃないかと思うところです。
単年じゃ不満な成果も複利で積み上げると素晴らしい結果になる。
面白くないですか?
そしてこれがプラスサムの可能性です。
この成果にはゼロサムで他者から奪う必要はありません。
ただただ株式・・企業が稼ぐプラスサムが積み上がることだけでも見えてくる数字です。
これがプラスサムの可能性です。
あなたはプラスサムの可能性を知りそれにどう対処するれば良いのだろうか?
いや、もちろんあなたがゼロサムで勝てると言うなら
それで勝つならさらにいい結果を複利で手繰り寄せることはできますけどね。
まあ奪われると減りますが。
プラスサムの限界と可能性を知ってあなたがどうするかは知らないよ?
ほんとに好きにすればいいと思います。
何を狙うのも狙って外すのも、待つのも取りに行くのも好きにしてよ。
その選択も責任もあなたのものです。
それも踏まえて自分も好きにしようと思います。
そして自分はプラスサムの限界と可能性を知るからには・・
それを踏まえた投資のやり方をしていきたいと思うわけなのです。
あなたはプラスサムの限界にどう対処しますか?
あなたはプラスサムの可能性にどう対処しますか?