株価は意見だと思ってます。
株価は只の意見。
それはただの意見なんだけど、だいたいかなりにおいて妥当だねというかちゃんとファンダが効いてるよね?という話。
たとえそれは暴落時であっても。
これとか読んでくれるとより言わんとすることが伝わるかもしれない。
2020年は暴落だよ?
株価は落ちました。
そしてボラティリティは高くなりました。
それを見て多くの人が言う。
株価はめちゃくちゃ。ファンダ無視で株価が動く。ファンダが効いてない。
自分ももちろんその高いボラティリティを見てましたが確かに株価は乱高下します。
でも思うんです。
それはファンダ無視のものなのか?
(ちなみにこの記事を書いたのは2020年の4月か5月あたりなのでよろしくね)
ヨシックスという企業があります。
増収増益を連発し、飲食としてはちょっと考えにくい高い営業利益率(10%超!)ROA(14%超!)でしかも借り入れとかほぼ頼らず自分の稼ぎからでこの数字を作ってきて端的にバケモノ。
そのヨシックスは確かになんら問題のある数字を出してはいませんでした。
しかし2020年の2月の株価およそ3000円から3月にはおよそ1400円で半分以下。
特に数字では劣化の見られない企業で一ヶ月も経たずに株価半分以下。
これはファンダ無視の株価推移なのでしょうか?
Twitterで以下のやりとりをしたわけです。
ヨシックスのや台すしへ毎月3回以上丸1年通っていました。そんな私が2月下旬から1回も行っていません。
— 名古屋の長期投資家(なごちょう) (@Nagoya_Tyouki) 2020年4月3日
いくら最高の居酒屋チェーンを作っても、客が普通に行ける状況にならないと、売上も利益もあがらないですよね。
自分としてはこれはファンダ無視でなんか訳わからず、株価が乱高下したわけではなく、これはファンダメンタルズの姿を織り込みにいったがゆえの株安にみえるのです。
そうなって価値が劣化する姿を織り込んでいった結果の大きな株安でPER10切りなわけですよね。これは評価の低下だけどもちろん価値の低下が考えられるからの結果で・・
それはファンダ無視というよりは遥かに忠実だから起こる事象なのではないでしょうか?
それは株価という結果ではなく
価値という因の変動というか・・
価値がわからなくなるがゆえの変動。
それはファンダという軸がありそれに付随する株価が迷子というよりは、遥かにファンダという軸が迷子になった結果として起る事なのではないでしょうか?
ヨシックスならどうでしょう?
誰も断言できないはずです。わからないはずです。
PER20以上とかだったら企業利益が成長するという前提の株価形成です。
コロナの影響で特に影響を受けやすい自粛対象となってる夜の飲み屋です。
その中で言えないはずです。ヨシックスが成長し続けるとは。
もっと言うなら大きな減益をして利益は回復しない。
あるいは自粛が長く長引き資金繰りにつまり倒産するまでの可能性がないとは。
わからないはずなんです。見えないはずなんです。
ヨシックスの未来の姿とか。そのファンダメンタルズがどうなるか?その価値がどうなるか?
その株価変動は、株価の危機というよりは遥かに価値の危機なんです。
暴落時に特に株価の下がってるものを見てみましょう。
そういうものほど未来の価値の毀損が起らないと断言し難いものばっかりなんじゃないかと思うわけですがいかがだろうか?
あとは価値の変動によって大きくつけうる株価水準って違うはずなんです。
30%超成長が期待されるのと15%成長が期待されるのはPERが3倍ほど違うかもしれない。
15%と無成長でも3倍ほど違うこともありそうだ。
例えば30%超の成長をしそうだってところから無成長になるかもしれないという価値の危機に陥れば株価は3分の1✕3分の1で9分の1でだいたい10分の1とかは普通にありえます。
企業成長のステージが変わると評価はえらく変わります。
成長期待から無成長、無成長から減益、減益から赤字、赤字から大赤字、そして倒産。
倒産は端的に価値ゼロです。倒産の可能性を嫌疑されると株価はどこまでも乱高下するでしょう。
だからそれは価格が迷子ではなく価値が迷子だからです。
上で30%成長と15%成長ではつきうるPERは3倍違うといいました。これは逆に言えば30%成長するか15%成長するかまったくわからない・・見える価値が迷子であるならば、その三倍の中のどこに株価が居たっておかしくないということです。
自分は今回の暴落でそのようなことを感じたのです。
暴落とは価値が迷子というか価値の毀損の嫌疑と言うか可能性が広がることだ。
リーマン時にはREITは20%まで利回りが上がったそうです。
自分はそれは価格の変動ではなくて期待される価値の変動だという世界観を持つに至りました。
なぜそれほど動くか?というとそこで期待される価値が継続から破綻になったから。成長から停滞の幅も大きいけど継続と破綻の幅はもっと大きいはずだ。
何が言いたいかというと・・
未来の価値に対する判断なしに価格は安くなったから買うというのは危険な事が多いだろう
と、考えるところです。
未来の価値に対する根拠があり、そうではないだろうとできるならそれは妙味になると思うけど、ただ同時に特に妙味ありそうなほどそれの判断が難しいよねというのも感じた印象です。
期待されてる評価ステージが破綻か継続かの間ぐらいだとその幅がすごく広いので、すごく株価は乱高下します。
成長と非成長もすごく幅が広い。
このステージ悪化に付き合うときが大損シナリオの代表例かと。実際の価値毀損がなきゃいずれもとに戻るとは思うけど、もちろん戻らないことだってある。
評価ステージが大赤字とか破綻になってるけど、実際はそうならないというのを拾えるなら数年先には倍以上は取れてるだろうなとは思う。今ところ自分は確信的に大丈夫だろうって思えるものを見つけられてない。飲食や人材系あたりのいいものが成長から利益維持くらいにはなっている(と自分が感じてる)のはちらほら。
そんなのが自分がコロナの暴落の中で感じていたことです。
・・・・・その評価が変わったことはわかるというか推測できるのです。
理屈では、その下がった評価より見込める価値が高いのならば買いなんですけど・・
その価値の見定めが難しいものに限って大きく下げていて、価値を悲観的に見込むとさらに下があるものばっかりに思えたわけです。
その意味で自分はこのコロナで大きく市場は効率的だという意見に傾きました。
思った以上に市場は効率的で意味なくあまり企業は安くなったりしない。やっぱり。
というものです。
ただ・・というか
見える価値が迷子であるならば、見える範囲のどこに株価が居たっておかしくない
ではありそうです。
価値がどこに行き着くか正確に見えなくなるがゆえに、行きそうな範囲の中ならどこでもよくそしてその範囲は広いわけです。
わからないときは評価がバグると言うか安定しない。
もっとわかりやすくするとボラティリティが高まる。株価が乱高下する。
でもこれはそれでもファンダが効いてるということになると思います。
だって分かる範囲の中のそれらしいところには収まるし、それにそれが見えてくるならわりとすぐに狭くなったそれに吸収されてるように思えました。
それは当たり前でまたここが効率の限度なんでしょう。
市場はかなり価値を効率的に評価する。
ただしそれがわかる範囲において。
わからないこと範囲に関しては市場も効率的ではいられない。というかその大きな範囲に収まることが効率的と言えると思いますけどね。
要するに効率の示す範囲は点じゃなく面なのである。
よって市場に2つのものがある。
・だいたいわかる、かなり効率的に値付けがされてるもの。
・大きな面でしかわからない。その中でメーターが大きくぶれまくるもの。
自分はそのような認識に傾いてきてるわけです。
いってることがピンときてないかもですね。自分はこれはかなり重要な視点な気がしてます。
つまり・・・
・だいたい分かるところは効率的で大きなパフォーマンスを上げるのは難しい。
・大きなパフォーマンスがでうるところは大きな面でその中のどこでもいいような感じなってる。つまり確実性に大いに欠けるギャンブルもどきになってる。
そう言ってます。
まあこれは自分の印象ですね。
正しく※個人の感想です。
な話です。
ただタイトルは「暴落時のファンダメンタルズ」ですが、この話は暴落時だけではないだろうというかもっと普遍的なものなのではないかと思うわけです。
きっと暴落によって”わからない”があぶり出されたために暴落時に気づいたことですね。
・市場はだいたい効率的である。
・ただしわからないものに関してはかなり広い面を取りその中のどこでもいい。
これが自分がコロナで一つ持ち帰る事になった成果の一つです。
投資はまだまだ続きます。健やかなるときも荒れるときも。
その中で持ち帰ったものがほんとに正しいか?ずっと正しくあり続けるか?
見極めていこうと思うわけです。
それは株価の変動ですか?価値の変動ですか?
価値が見定めにくい時・・
どうすればどう考えればいいですか?