FPかもめとしては特に印象に残ったよね?と言えそうな投資案件をつらつらとその振り返りをしていくというエントリー。
総合的には失敗事例になるね。ただ見込みはあるとしながら、他にもっといいものが見つかったという理由でその見込の成否を確認する前に撤退というなかなかしんどい決断をしたという事例になるね。
わりと珍しいかもしれない自分が自分の個別事例のことを振り返った記事は以下。
(失敗)事例:アルビス(7475)
発見はこの記事ですね。
2018年の3月ですね。
北陸のスーパーですが買えるとした理由はたくさん。
・目下の業績堅調CF等も問題なく
基本というか。各財務諸表数字。順調な企業のそれと感じました。
・卸→スーパーの事業転換タイプ
事業転換を伴い伸びている企業はわりと打率いいとは思うところです。
卸からスーパーを始めてスーパーが好調なので完全に乗り換えたという形ですね。実際スーパー単体でみると右肩といっていい業績です。
・投資などが盛ん。店舗の出店改装に熱心。
積極的に事業を手入れしているというのは短信や投資CFからもわかりました。
・北陸地盤
これは弱ポイントですが、新幹線絡みですね。だいたい新幹線できると周辺地方都市は発展してます。政令指定都市は新幹線沿線に多いですが、これほとんど新幹線ができた後に政令指定都市になってます。つまり新幹線後に発展してます。新潟とか。
なので北陸は長期視点で発展性有望と考えてます。
・拡張意思
岐阜に出店意欲がありました。これは弱ポイント。
大枠においては、目下業績好調で事業転換に成功し活力ある地盤から積極的に打って出る姿勢を見せている企業ということですね。
あとは・・
・消費税や景気後退対策
消費増税が現実味濃厚という情勢です。来る場合は増税の業績に対するインパクトも警戒していなければないないと注意する中で食品スーパーはかなり耐性が強い業種です。
また増税からに限らず景気が冷えることに対してディフェンシブ性が欲しかったという理由での白羽の矢。
スーパーなら増税したからとか、景気悪いからとかで食品買うのは控えるはないからです。むしろ外食控えて恩恵があるかもしれないくらい。(もっと安売りスーパーに流れるはあるかも)
実際リーマンあたりに食品スーパー各社で致命的な業績悪化しているものはない記憶。
・社内システム更新
弱ポイントですね。19年3Qから新社内システムが可動するという話で可動してるのですが、もしかしたら作業効率などに好影響が出て業績に出てくるかな?くらいには思ってました。
実際には出てきませんでしたが。
・三菱提携
三菱商事の出資を受け増資してます。物流やマーケティングの協力を得られるという形。これで嫌われたか株安とEPS低下も見られましたが長期的にはプラス要因かなくらい。弱ポイント。
マイナスポイントもありました。
・お家騒動
ちょっと経営者も変わってゴタゴタしてましたね。今までの経営方針なども変わる可能性もありと思えて、結構なマイナスポイントだと思ってますがこの記事時点で業績に大きな影響はありませんね。
でも特にの注目点は以下の2つでした。
・大型投資案件
精肉惣菜の集中製造を担う工場で商品力アップと店舗効率向上が期待されそれが業績に反映されることを期待してました。
各店舗にあった惣菜精肉調理スペースを売り場に転用できるし、人でもその分浮きます。
また、予め拡張を計画した生産能力を備えるのも好感ポイントです。
可動は2020年1Qなので2019年年の7月~8月あたりにこのプロセスセンターが可動した上での業績が出てくることになります。
あまり変わらないかもしれない。大きく変わるかもしれない。
それはわかりませんが、かなりの良化となる可能性もある投資案件に思えました。
今回はそれを見ずに大部分撤収した形になり。
かなり心残りな撤退です。
・企業評価
買い始めた時点でPER11かもうちょい上くらい。これは絶対的にも安く思えましたし、またスーパー転換後としてはPER11程度までで下落余地がそれなりに限定されていると見ることができました。感覚的にはPER11か10程度が一つのライン。
スーパーは低迷とかでもない限りはかなり業績は安定する業種です。PERで見ていいとも判断。もっともPBRでみてもいいとこ0.6~0.7くらいとみてそこからも下落は限定できるという判断です。
実際には増資なども入りEPSが下がる結果PERが上振れしましたね。それで下落余地が高まった部分はありそうです。結果としては自分が考えたPER10程度まで行きました。
また最悪を想定すると地方スーパーはPER6~7程度はあり得るとは思えましたし実際あるので、ただの地方スーパーとして評価されるならばそこくらいまではありえると考えてました。
その中で業績好調でまた業績加速要因も内包しつつ、見込みが外れた場合も下落が限定できそうだというふうに判断。
買う量によるけど、それなり以上に買ってもこれで致命傷はまずありえないとできる株価水準に思えました。
以上から、”これはたくさん買ってもいい”と判断。
2018年3月から主力に据えた次第です。
またその頃市場見てても下落をそれなりに限定しつつ大きく上も狙えると思えるものが極めて少なかったというのもアルビスを主力にした大きな要因でした。
そんな感じに2018年3月くらいから上位めの主力ポジションでした。
あとは基本ずーと持ちっぱでしたね。
途中それなりに株価もあげたりもしましたが、2018年が中小逆風的な市況だったぽいこともありそれもリセットされ、2018年10月にそこそこ落ちたので買いましとかもしましたが、年末もっと下がありと。自分としてはかなりの大きな含み損を抱えることになり、基本信用はしないとしていた中で損出しをするために信用口座を開いた理由にもなりました。
とはいっても当初これくらいまでかなあと考えていたPER10ほどで収まってましたし、業績悪化もないですし、何より狙いの本流はプロセスセンター稼働後の業績となるので売るに能わずということで損出しもしながら保有継続してきたという感じでした。
(でも今見たら2018年末ちょっと減らしてますね。たぶん何かに乗り換えてますね。他も安かったからね。)
このまま2020年1Q発表まではいくはずでした。
もっと言うならそこで順調なら、業績改善が見られるなら更に持ち続けるということにもなったはずです。
しかしながらその1Qを見ずに撤退判断とし、最近保有の大半を引きました。
理由は他に持ちたいというものがでてきて、それを買うために売るのが妥当とできたのがアルビスであったためです。(他も売ってますが)
仕方ないね。
見込みが達成されるかどうか確かめる前におおよそ撤退だけど仕方ないね。
だって、その方が良いだろうと判断したんだから。
反省点としては言うほどあまりない。
結果論としては、そりゃ2018年末に下がってから買えばよかったとか、もしかしてすぐアルビスが大きく株高したりして他のもの売ればよかったとか、売るんじゃなくて入金すればよかったとかいろいろ出てきたりもするんだろうけど、それはすべて結果論。
結果が出てからでないと是非はわからず、そして事前に是非はわからない。
あえてなら、アルビスを買うときもう少しバリエーション判断を厳しくしたほうがいいというならありかもだけど、それだって自分がアルビス目をつけてから2割程度は上がってる。その後の推移はまた下がったわけだけどこの辺の推移に関して判断できるものがないのであるならそれも自分の判断ではどうしようもないこと。
というかアルビスを見切って他に乗り換えたことで自分はポートフォリオは進化したとみなしてます。どうしてそれを反省しなきゃいけないのか。
結果がでるかはわかりませんけどね。
まあそんな感じです。
一度はかなり引くわけですが、アルビス自体の評価を下げたわけじゃなく依然見込みありという判断です。
長く持って損はしないだろうなあと思える企業という判断も変わりません。
また帰ってくるかもしれませんし、乗り換え先が振るわない中で自分の期待通りにアルビスがいい業績をだして株高ももちろんありえます。どうなるかわかりません。
それがいいかどうかというだけではなく、投資は他のものとの相対比較や、結果の出るだろうとする時間とか限りあるリソースをどうするか?などの問題も絡み合って判断しなきゃいけないよねというのがわりと実体験できたというのは良かったかもしれないです。