大河の一滴

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アベノミクスで株高否定論

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 アベノミクスというものがあるらしいのです。

というのもこのアベノミクスって基本的にはメディアが言い出した通称ですしね。

安倍政権がやった経済政策に対する名前ですね。

その後にですが安倍政権自体も言い出してますし、まああるらしいと言いましたがあると言っていいのでないでしょうか。

そのアベノミクスで日本企業の株価は大いに上がったというのが一般的な意見なのではないでしょうか。メディアもそうですし投資家さんたちの意見もまあアベノミクスのおかげで株高したよねって雰囲気なのではないでしょうか。

これに関して自分が思うことの話であるし、数字を確認していくことで今まで正しいと思っていたことがひっくり返るかもしれないよね?という投資家としてどう情報を受取解釈するか?という話。

 

株高したよね?

アベノミクスというか安倍政権時に株高しました。

第2次安倍内閣が成立したのは2012年12月で、この記事を書いている時点の2019年年初ではまだ安倍政権なのでだいたい日経平均で見ると成立時点で1万円が2019年年初で2万円ほどですので日経平均でいうと倍になってまし、安倍政権時に株高しています。

これは確固たる事実です。

 

安倍政権時に株高したは事実です。

しかし安倍政権によって株高したか?はどうだろうね?と考えています。

株価がどのようにあがったのかを確認するとそういう疑問が生まれてくるのです。

 

株価はBPS×PBRです

別にEPS×PERでもいいけど。ともかくも日経平均があがったのならそれはBPS(一株純資産)かPBR(資産に対する評価)があがったことになります。

日経平均に関してのPBR推移は以下で確認できます。

nikkeiyosoku.com

 

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確認すると日経平均のPBRは2012年の12月でそれは1.1前後というところでしょうか?

で、それの2018年末なら1前後です。

これからまず言えることは・・

 

安倍政権時の2012年末から2018年末において日経平均のPBRはあがるというよりむしろ下がったです。

 

また繰り返しますがその時間において株高しているのは事実です。上記からその株高はPBRでなくBPSが伸びたということになります。

つまりまず安倍政権時のおける株高は株式に対する評価の向上があったというよりむしろ評価は下がったですがそれを有り余って企業の保有する純資産が増えたからと言えます。

 

ついでに道中や多くの投資家さんも忌み嫌ってる民主党政権時も確認しましょうか?

つまり2009年9月から2018年12月までのPBR推移です。

2009年鳩山内閣成立時にPBRは1.2程度ですね。そこから民主政権時で上限PBR1.45程度下限PBR0.9程度ですね。大体の推移を言うと前半大震災まではPBR1.1から1.3くらいの間、震災後安倍政権成立時までPBR0.9から1くらいまでの推移です。

そこから安倍政権時では上で言ったようにPBR1.1くらいから上限PBR1.53の下限はPBR1程度です。大体の範囲は難しいですがPBR1.1から1.3くらいじゃないでしょうか。

 

実際の推移は見ていただきたいのですが、安倍政権時は民主政権時より下限でPBR0.1程度浅く、上限で0.08程度伸びてるは一つの事実ですが民主政権時は東日本大震災とかと被る部分もあり単純にこの政権だったからこのPBRになったというのは軽率な結論かな?って思いますし、何より2018年末のPBRで言うなら震災前ならより低い水準となってるであります。(震災後と比較すれば0.1ほど高いではありますが)

というか、あまり差があるともいい難く政権や政策によってあまりPBRは変わらないのではないかと自分は考えるところというか、一つの事実として安倍政権時においてPBRなら特に投資家が忌み嫌ってるように思える民主政権時に比べ特に高くないであるし、安倍政権成立時より低い水準となっているであるし安倍政権は日経平均のPBRをあげることができてないが事実です。

 

安倍政権は日経平均PBRをあげてないし、実際あがってないのです。

 

そうであるならば。

アベノミクスで株高したというのならそれはアベノミクスBPSがあがったと言うことと同義です。

アベノミクスBPSの蓄積は加速した。これは有り得そうな論筋です。

 

これに対しては自分としては否寄りです。完全に否までは行きませんが。

なぜかというと、まず金融緩和の効果に対する疑念があります。

 

公が株式をたくさん買ったから株高だ。

 

これに対する疑義です。これを正とするには、株式を買うとBPSが上がると出来なければなりません。なぜならPBRに関しては上で言ったようにあがってないしもっと言うなら下がってるからです。だから金融緩和で株高したと言うには、金融緩和をするとBPSが上がると言えなくてはなりません。

 

どうなのでしょう?

トヨタ株を買うと、トヨタの純資産が増える。 ほぼ純利益が増えると同義です。

 

この命題。 正しいと思えますか?

自分はNOになります。トヨタの株をそれこそしこたま買ってもトヨタのPBRは上がるかもしれないけど、BPSは上がらないです。

これが正ならもう滅びそうな大塚家具をたくさん買って株高させるなら大塚家具の業績が改善するということになります。これは自分は断じてNOです。

 

またアベノミクスは、金融緩和の他に財政出動があります。

これの影響で企業業績が改善しBPSが向上した。は、あるかもしれません。

政府が支出をすることでそれが上場企業の財産に移転する。コレ自体は不思議じゃありません。

そしてアベノミクスでは財政出動もあった気がしますよね?

見てみましょう。

ecodb.net

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近年では2008年辺り(麻生政権の財政出動ですね)に急増・・くらいですがあとは余り傾向変わらないと言うか、安倍政権が財政出動で支出を大きく増やしたという事実はおそらくないと断じて良さそうです。

故に、安倍政権の財政出動によって大きく企業業績向上・・・からのBPS成長加速があったともなかなかみなし難いのではないかと思うところです。

 

また円安誘導が言わてますね。

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実際円安に出てますね。

これが輸出企業に恩恵があるとは言われてますが・・・

円安になったことが安倍政権の貢献であるかもどうだろうか?と思うところですが、それ以上に円安が株高にいいのか?に疑問があったりします。

ecodb.net

日本の貿易収支です。

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まず安倍政権時に貿易収支は増えてない。というかどちらかといえばマイナスです。

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輸出額に関しても増えるより減ってます。

またそもそも日本は外需と言うより内需に依存してるといえて

www.globalnote.jp

外需依存度は207国中186位で世界平均42.6%のところ27.4%ほどで、そもそも円安は輸出企業にはいいかもしれませんが、上場企業全体の企業業績に対して強く効果があるというのはどうでしょうか。

また実際確かに時価総額が大きいところは海外比率大きいのは多いですが、その他会社の顔ぶれ見てますと海外というより国内向けに事業をしているところのほうが圧倒的に多い印象です。海外にしても現地生産現地販売がトレンドのように思えますしやっぱり円安自体の恩恵はかなり限定的もしくはない。もしかしたら日本企業全体ではマイナスかもしれません。

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ちなみにというか株高で投資利益が出ることでそれが消費に流れ企業利益が大きくなったみたいな意見がありますが・・この筋は完全には否定できませんが以下を見る限り・・

ecodb.net

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消費者物価指数も増えてないですし、はっきり言ってそのような意味で消費が増えて企業利益が増え、株高したという筋は正直難しいのではないかと思いますがどうでしょうか?

そもそもというかまあ株高しその影響でみんなの投資利益が増え消費に好影響が出て企業利益が増え株高という筋において、安倍政権はPBRを増やしたわけでないしBPSも増やせてるというのも微妙な気がする気がするのでこの筋においても安倍意見の株価に対する貢献は見出しにくいかなというのが自分の立場ですが。

 

・・なぜBPSが増えるようになったか?だって?

BPSって企業が普通に利益を出せる程度で増えるものだからじゃないですかね?

何かの理由でBPSが吹っ飛ぶ事がなくなることがないならBPSって増えるんですよ。企業が利益を出す程度で。

例えば不良債権処理で利益が飛んでいたけど、その処理が終わって消し飛んでた企業利益の蓄積が再開されたとかあってもいいんじゃないかな。とかは思ってます。データが用意できないのでそうかもしれない程度ですが。

 

ここまでで自分の意見を率直にいいますと・・

安倍政権ははっきりって株価及び企業業績に対して効果ある政策を打ててないと考えるところです。

PBRなら実際に上がっていないし、BPSとしても少なくとも支出面において増やしてると認められないし、円安誘導にしても円安に誘導できたかもあるしまた誘導することが言われてるほどよい影響を与えないだろうし、消費が増えたという筋も消費が増えた認めがたいと考えるところだからです。

 

以上から自分の考えを結論しますと

アベノミクスは株高に貢献していない。

少なくとも金融緩和はあまり株高に貢献していない。

初期の財政支出がもしかしたらちょっと企業業績回復を早めたはあるかもしれないくらい。

 

企業がリーマン・ショック、大震災の混乱を越えて企業状態が回復する期間に政権を担当してたのが安倍政権であって、安倍政権が株高を作ったのではない。

政権が株高させたのではなく、株高する時期に政権にいたのが安倍政権。

そしてむしろ金融緩和によって公が株を買ったために民が得るべきだった利益を公が横取りして民の所得に打撃を与えたとすら言える。(先に買うことにより株高が早く始まった可能性はあるかもしれない)

 

 と、考えていますというか数字を確認することによってそのような考えになりました。

もうアベノミクス万歳的な意見を聞くとそのひとバカなんじゃないかと思うようになってる。

何がいいたいのかというか

なんかの意見や世論とか、かなり盛大に間違ってるかもしれない可能性がありそうだということと、そういうときに疑問をもって数字を確認したり裏付けをとるようにすることが大事だよねって思ってそれを実演してみたという話です。

もしそういう行動をすることによってみんなが盛大に間違ってる中で正しきらしき答えにたどり着いていること。あるいはそのように確認裏付けする姿勢があることが投資に役に立つとは思いませんか?

特に今はいろんな統計や数字が出回り”意図して調べるなら”裏付けを取りに行くのはかなり容易になったと言えそうです。

自分はそのように思うところなのでそのような行為ができるよう心がけているのです。

 そしてそのような姿勢で一つの自分がたどり着いた成果がアベノミクスで株高否定論なのです。

 

 

それまで正しいと思ってたいた事が

数字を確認していくことでひっくり返るかもしれません。

あなたはどのようにして数字を見ていきますか?

 

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