営業CFマージンが15%以上あれば堀を持つと見ました。
ここで見たんですけどね。
説明したほうが良さそうですね。
営業CFマージンとは、売上高に対する営業CF比。現金収入です。
売上に対してお金を稼いでいるかです。営業利益は現金となってるか限りません。
これが15%以上になっているというのはようするにボロ儲けであり、ボロ儲け出来るんだから何か強み、競合とかが出てきてもそれでもお金を稼げるような強みがある可能性は高いとなりそうです。
そうでなければ価格競争に巻き込まれそんなにお金稼げないはずだって事ですね。こういう企業はお城(儲け)を守る競合に容易にはつけ込ませない堀を持つ企業と形容されます。
上記の記事を見た時に「いやあそうでもないかもよ?」と、いくつか思いつく堀がありそうな企業とか営業利益率の高い企業の営業CFマージンを調べてみましたが確かに15%越えとなるのは事業に強みがありそうな企業が多めでした。(JR東海、JR東日本、KDDI、東京都競馬、JPX、オービックなど)
逆に堀を築きにくい小売とか卸売業などは軒並み低い数値になってかなり信用できそうな数字だという印象です。
というわけでこのスクリーニングは単年ではなく5年間の営業CFマージンの実績を見ることで事業に強みのある企業を拾おうとする意図のものです。
あくまで営業CFを見るものなので、事業維持のための投資が大きいものとかも入ることになりフリーCFが豊富で株主還元出来るお金が大きいとは限らないし、成長するとか赤字が出ないというわけではないという印象です。ただリーマンショックみたいな環境が悪いときにもしっかり事業で現金収入を得ているものも多いという印象でした。
事業の盤石性などを測るには自己資本比率などよりも信頼できるかもしれないですね。
あくまで今までを見るものなので事業環境が変われば大いに状況は変わるなんてこともありそうでそういう点にも留意して使うならなかなか役立ちそうです。
結果は以下でした。
上位40位。
(2018/5/13データ取得)
No. | コード | 社名 |
5年累計営業 CFマージン(%) |
5年累計 売上高(億) |
5年累計 営業CF(億) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8511 | 日本証券金融 | 1,101.75 | 1,026.42 | 11,308.55 |
2 | 6167 | 冨士ダイス | 399.20 | 786.37 | 3,139.19 |
3 | 8851 | アーバンライフ | 89.23 | 132.80 | 118.50 |
4 | 8836 | RISE | 79.93 | 22.69 | 18.14 |
5 | 4565 | そーせいG | 63.60 | 347.50 | 221.00 |
6 | 3258 | ユニゾHLD | 60.31 | 1,357.65 | 818.84 |
7 | 2174 | GCA | 56.09 | 868.71 | 487.27 |
8 | 8697 | 日本取引所G | 47.90 | 5,167.87 | 2,475.48 |
9 | 7219 | HKS | 47.30 | 360.26 | 170.40 |
10 | 4732 | ユーエスエス | 46.29 | 3,344.44 | 1,547.99 |
11 | 2492 | インフォマート | 40.50 | 278.13 | 112.63 |
12 | 8818 | 京阪神ビル | 40.19 | 718.72 | 288.85 |
13 | 9514 | エフオン | 38.99 | 368.04 | 143.49 |
14 | 9130 | 共栄タンカー | 38.89 | 618.68 | 240.59 |
15 | 9115 | 明治海運 | 38.16 | 1,558.47 | 594.66 |
16 | 8841 | テーオーシー | 37.75 | 1,051.39 | 396.85 |
17 | 8803 | 平和不動産 | 37.42 | 1,893.80 | 708.67 |
18 | 2127 | 日本M&A | 36.65 | 638.35 | 233.96 |
19 | 8518 | 日本アジア投資 | 36.54 | 294.39 | 107.58 |
20 | 4684 | オービック | 36.07 | 2,819.26 | 1,016.83 |
21 | 3659 | ネクソン | 35.88 | 9,365.88 | 3,360.35 |
22 | 8595 | ジャフコ | 35.35 | 1,979.19 | 699.56 |
23 | 8806 | ダイビル | 35.30 | 1,823.39 | 643.63 |
24 | 9022 | 東海旅客鉄道 | 34.94 | 84,055.50 | 29,369.21 |
25 | 9672 | 東京都競馬 | 33.79 | 935.91 | 316.25 |
26 | 2326 | デジタルアーツ | 33.38 | 183.93 | 61.40 |
27 | 6961 | エンプラス | 32.36 | 1,771.51 | 573.31 |
28 | 3901 | マークラインズ | 32.08 | 62.49 | 20.05 |
29 | 2371 | カカクコム | 31.85 | 1,752.41 | 558.10 |
30 | 8905 | イオンモール | 31.65 | 10,418.07 | 3,297.51 |
31 | 9671 | よみうりランド | 30.70 | 907.24 | 278.54 |
32 | 3528 | プロスペクト | 30.61 | 701.02 | 214.57 |
33 | 3765 | ガンホー | 30.34 | 6,952.21 | 2,109.00 |
34 | 6806 | ヒロセ電機 | 30.24 | 5,820.38 | 1,759.98 |
35 | 3003 | ヒューリック | 30.06 | 9,965.89 | 2,995.45 |
36 | 8423 | アクリーティブ | 30.02 | 168.10 | 50.47 |
37 | 3679 | じげん | 28.81 | 188.02 | 54.18 |
38 | 4704 | トレンドマイク | 28.51 | 6,285.83 | 1,792.14 |
39 | 6954 | ファナック | 28.31 | 28,394.91 | 8,038.99 |
40 | 2121 | ミクシィ | 28.23 | 5,536.65 | 1,562.88 |
上位の方はさすがに売上よりお金の入りの方が大きいとか異常値とか会計上の理由とか突発的な理由でそうなっているみたいなものとなってそうだったりしますが、40位より下も見ると、多額の投資が必要な資産でお金を稼ぐような事業(NTT、京阪神ビル、JR東海、オリエンタルランドなど)、高い技術力を持ってそうな企業(ファナック、信越化学工業など)、その分野で強いブランドを持ってそうな企業(ミクシイ、トレンドマイクロ、カカクコムなど)の企業も目立ちました。競合としてはそう簡単には価格競争を持ちかけ顧客を奪うのは難しそうなものも多そうです。
また証券関連など浮き沈みが激しく好況時には凄く稼ぐけど環境が悪くなると大きな損失を出すことも多い事業っぽいものもちらほらでしたので、注意が必要な企業も多そうです。
探していけばあまり目をつけられてないけど実際にはかなりの強みのある会社を見つけられるかもしれませんね。他にも例えばリーマン・ショックあたりの時期を絡めるようにして見て上位に食い込むようなものを注目してみたりするとか何かの役に立つかもですね。
今回の式
5年平均営業CFマージン(連結)
5年平均営業CFマージン
(([連・修正・1株当り営業CF(円)(-1)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-2)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-3)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-4)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-5)])*[誌面・発行済株式数(株)]/100000000)/(([連・売上高(-1)]+[連・売上高(-2)]+[連・売上高(-3)]+[連・売上高(-4)]+[連・売上高(-5)])/100)*100
5期累計実績売上高(億:連結)
([連・売上高(-1)]+[連・売上高(-2)]+[連・売上高(-3)]+[連・売上高(-4)]+[連・売上高(-5)])/100
5期累計実績営業CF(億:連結)
([連・修正・1株当り営業CF(円)(-1)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-2)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-3)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-4)]+[連・修正・1株当り営業CF(円)(-5)])*[誌面・発行済株式数(株)]/100000000
四季報CDを用意して以下の式を入力すれば実際に上記のスクリーニングが可能です。