大河の一滴

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投資家とドローダウン

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ドローダウンという言葉があります。

野菜証券さん曰く

ドローダウン(どろーだうん)とは、最大資産(累積利益)からの下落率のこと。システムトレードなどでは、最大ドローダウン(下落率)をどれだけに設定するかがリスク管理の観点から重要な要素の一つとなる。

だそうですよ。

野村證券 | ドローダウン(証券用語解説集)

自分はトレーダーさんの言うことを聞くことも多くて、ドローダウンってなんとなく資金が減るときみたいなイメージでしたが、改めてふと調べてみたらトレーダー用語じゃんって事になってそういえば投資家さんはあまりドローダウン言わねえなという話から始まるエントリー。

トレードの世界ではドローダウンがあります。

そういう概念があって、トレードルールを構築する際にそのドローダウンがいかほどあるのか?それに耐えられるのか?って命題は避けては通れぬようです。

あるトレーダーさんのお話を聞いたのですが、そのトレーダーさんは非常に短期な取引スタイルで、細かいルールは知りませんが取引期間を3日と定められているとのこと。

そのルールにおいての成績推移(2年くらいだったと思います)を見せていただいたのですが、3日という時間の切り取りにおいても、ある時期に資金が増え続け、そしてある時期は資金が減り続けるというグラフを拝見させてもらいました。

傾向が変わったポイントで取引方法変えたんですよね?と聞けば、変えてないというお答え。

自分は有効なルールを築き期間を短くして数を重ねるなら増え続けるのかな?って思っていたのでとても意外でした。

たとえすごく短い時間の切り取りであってもより長い期間の市況状況の影響を受けるということなんでしょう。

そして時間をどんなに短くしても常に資金が伸び続けるなんてトレードルールは築き得ないということだろうと理解しました。

そして例えば2年というより長いという時間においては増えたり減ったりしながらも増えてるね。というものが有効なトレードルールということなんじゃないでしょうか?

 

3日というとても短い(自分としてはあり得ない短さ)時間の積み重ねでも、ある時期は資金は増えある時期は資金が減るんです。

ドローダウンとドローアップ(今適当に造語しました)を繰り返しながら増えていくということがトレードの目指す形なんでしょう。

 

で、このドローダウンという概念。

投資家も考えなきゃダメだよねって事でやっと本題。

 

投資家にとってドローダウンという言葉が縁遠い理由・・

 

それもなんとなくわかります。

これは最大資産(累積利益)から何%減るだろう。そしてそれを許容するかどうかの判断に使うという概念です。

こういう話を振っておいてなんですが

 

そんなのわかるわきゃねえだろ

 

が、まごうことなきわたくしFPかもめの本音です。

 自分が考える投資行為とそれは相性が悪いとしか言いようがありません。

ドローダウンがトレード用語であることはうなずけるのです。

なぜなら、トレードとは再現性のあることの再現を狙う行為だから

まっとうなトレードであるなら、運用したいルールを事前に検証しドローダウンはこれくらいだなと確認した上で実際に運用に入るわけです。

その幅は実際に運用すると検証通りに行くとはかぎらずだいたい2倍の幅は用意すると聞いてます。

事前に確認しやるのでやる前からだいたい当たりがつくわけです。

トレーダーの往く道は既に歩いた道なんです。

 

しかし投資家はどうでしょう?

投資家の扱う投資には再現性が無いんです。

同じ条件の取引というものが二度と現れないんです。

投資判断に使われる要因が広範かつ複雑すぎるからだと考えています。

事前にそーせいを100回買ってどれくらいの期間で最大何%ドローダウンがあり何%でプラスとなるかなど確認できません。

故に投資家がそーせいを買うならば、それは新天地の開拓行為となります。

以前長期投資はハイリスクという記事(下記参考)をあげましたが、ファンダメンタルズ投資も再現性がないことを狙うためにハイリスク(ハイリターン)なんです。

何故か?再現性が無い故にそれがだれだけ安全か、危険か事前に確かめる事はできなく、常に征くところは新天地だからです。

 

新天地なんだからどれだけ最大値からさがるとか見込み様もないでしょう。

そーせいを2015年9月に買ったらどうなるか?それは実際に2015年9月に買うこと以外に確かめようがなくただ一度切りのチャンスなんです。これを2016年5月でも2015年6月としても同じことです。常にその場限りしか現れなく再現することがないんです。

 

同じ条件の取引は二度と出来ないんです。

だからわかるわけないんです。

それが今後どの位の確率でどれだけ株価が落ちうるかなんて。

 

でも、無策でいいわけないよね。

 

だって実際に必ず損をする時間がくるのだから。

ピーター・リンチのマゼランファンドというファンドがありました。

このファンドはリンチが運用した13年の間に実に25倍ほどになったとのことです。

しかししかし、そのファンドを買った人の8割が損しているのです。

ピーター・リンチは日本でも最も尊敬されている偉大なファンドマネージャーとなるでしょう。

その素晴らしい実績も常に値上がりし続けるわけではありませんでした。

ピーター・リンチでもファンドを常に値上がりさせることなんてできませんでした。

そしてそんな素晴らしいファンドと出会いながらも”必ず下げる時間がある”と知らなければ8割の人が刈り取られてしまうんです。

でもこんなこと言わなくてもファンダメンタルズにかぎらず投資行為する人は知ってますよね?

 

お金は必ず減る時間が訪れると。

(まさか、知らないんですか?)

 

知っているならばその現象を認知すべきでしょう。

ルールを定めて儲かるだろう事を確かめたルールを運用するトレードにおいてもある時間はお金が減るんです。

新天地を征く投資家もそれを認知しお金が減る時間に対して構えるべきです。

手放す持ち続ける買い増す乗り換える。最悪の時にとるべき方針と思えることを考えておくべきです。

それを知ってそれが来る前から準備をすべきなのです。

 

自分はこのドローダウンに対して身構えていました。

自分は、2016年はそもそもダメだろうと考えていました。

その中で損失が広がるだろう中PFの質を高めることに注力し来年以降に・・と考えていました。

自分はその時間はいつかかならず来る。そしてその時が来るなら見守るつもりでいました。

2015年末にもう下落が始まってもおかしくないとPFを再検討し、どれくらい落ちる可能性があるだろうか?とかいろいろ考えてPFを調整確認した上でそうなっても持ち続けるという基本方針としました。あと、いざとなれば資金を投入して買い増すくらいも考えてました。

 

2016年に入り市況の株安を受け自分の評価資産、そして評価益はみるみるうちに減っていきました。

でも予定通りに見守り続けました。 

結果的には、一時年初の総損益を最大8割をぶっ飛ばす下落を見守りながらも、冷静に対処できたと思います。

もう買ったほうがいいだろうと判断できた時点で予定通りに資金も投入することもできました。

この記事を書いている5月初めにおいて気づけば市場全体の時価総額は下落する中で、総損益は年初を上回り自己最高値に迫る水準にあります。PFの予想利益、純資産、配当を大きく上回りながらPERPBRもさげることができPFの質を上げることにもなりました。2016年の前半戦は上出来だった出来過ぎぐらいだったと評価せざるを得ません。

何故そんなことが出来たかというなら、ドローダウンは必ず来ると考え、予めそうなったらどうしようか?と考えて故に実際そうなった時に恐怖に振れず冷静に対処できたからという答えになりそうです。

 

いまのところの話だけれどもね。

ちょっと峠をひとつ乗り越えれられたかな?と思える今でも未来にはどうなるかわかったものじゃない。

だってわたしは常に再現性のない新天地を征く投資家なんですもの。

 

あなたは再現性のない新天地でドローダウン・・

いつかかならず来るお金の減る時間にどう備えますか?

 

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参考記事

kamomenotoushi.hatenablog.com